ヒッピー文化と教会のコントラスト

インドの「ゴア」と聞けば多くの人がヒッピー文化やレイブパーティを思い浮かべると思います。しかし実は、ゴアは「ゴアの教会と修道院」として世界遺産にも登録されているという事は意外と知られていないかもしれません。自由を謳歌したヒッピー達とキリスト教の教会や修道院。相反するとも言える要素が同居しているのもゴアの魅力なのかもしれません。

ポルトガルの香りを放つ世界遺産「ゴアの教会と修道院」(前編) ポルトガルの香りを放つ世界遺産「ゴアの教会と修道院」(前編)

一時はリスボンにも匹敵

アフォンソ・アルブケルケ率いるポルトガル艦隊がアラビア海に面したインドの西海岸の地を占領したのが16世紀。それ以降、ゴアはポルトガル領インドの都として繁栄の時をむかえます。ポルトガルのリスボンをモデルとして街作りが行われ、港の近くの公共広場を中心にバロック様式の大聖堂や修道院、インド総督の宮殿など、いくつもの壮麗な建物が建築されました。その美しさから「東方一の貴婦人」や「黄金のゴア」などの異名をとり、「ゴアを訪れたならば、リスボンに行く必要はない」とまで言われたほどでした。

つわものどもが夢のあと

しかし、盛者必衰はどこでも変わらぬ世の定め。オランダやイギリスの勢力が強くなり、さらには疫病の流行もあって徐々に勢力を失い、19世紀半ばにはポルトガル領インドの首都の座を現在のゴア州都パナジに譲ります。これを機にゴアは衰退の道をたどり、多くの建物も放置され、荒れるにまかせるままとなりました。かつて20を超えた教会などの建築物は現在では、その半分を残すばかりとなっています。この街は今では「オールドゴア」と呼ばれ、パナジ経由で多くの観光客が訪れています。

ザビエルの遺体がある教会!

オールドゴアで一番多くの観光客を集めるのがボム・ジェズ教会。ここには日本に最初にキリスト教を広めたイエズス会修道士フランシスコ・ザビエルの遺体が安置されています。ザビエルの遺体は10年に一度公開されることになっていて、今年2014年はちょうどその公開の年。歴史やキリスト教に興味のある人は、銀の柩の中でミイラ化して眠り続けるザビエルを観に訪れてみてはいかがでしょうか。

ポルトガルの残香を感じさせる建物

ボム・ジェズ教会から西に坂を上った所にあるのが聖アウグスティヌス聖堂跡。崩れかけた高さ46メートルの塔が坂の途中からも見えてきます。建物はほぼ崩壊していて、いくつかの祭壇の跡や一部色のついたタイルも残すだけですが、聖堂のかつての威容を彷彿とさせます。その他、ス・カセドラルと呼ばれる聖堂、現在は一部が博物館としても使われている聖フランシス教会、副王の門など、かつてのポルトガルの栄華を感じさせる建物があります。