ビーチは、藩王国時代にイギリス人が最初に注目

「南インドで人気のビーチ、コバラムへ行こう!」その1からの続きです。前述しましたが、インドでは海水浴の習慣はもともとなく、コバラムも最近まではふつうの漁村でした。インド独立以前は、この辺りはティルヴァナンタプラムを都とするトラヴァンコール藩王国の領地です。藩王国は、イギリスのインド帝国の傘下にありましたが、外交以外にはおおむね自治が認められていました。日本の江戸時代の藩制度のようなものでしょうか。しかしイギリス人官吏もティルヴァナンタプラムにおり、1930年代になると駐在のイギリス人たちがコバラムにいいビーチがあることを発見し、観光や休暇にやってくるようになります。しかし、このビーチに外国人旅行者が本格的にやってくるようになったのは、1970年代のことです。

メインのライトハウスビーチの北にあるハワービーチは、地元インド人が多い メインのライトハウスビーチの北にあるハワービーチは、地元インド人が多い

観光地として注目を浴び、州政府も後押し

1970年代初頭は、「ヒッピー」と呼ばれる人々、そして神秘思想を信じたり、精神世界に興味を持ったりする若者たちがインドを目指しました。一つの場所に長期滞在し、のんびりと過ごすのが彼らの旅のスタイルです。その頃にこのコバラムも外国人に広く知られるようになり、ゲストハウスやホテルが少しずつ増えていきます。それでも1980年代までは、コバラムはまだ素朴な漁村の風情を残していたと言います。しかし1990年代に入り、ケララ州が観光産業に力を入れ、急速に観光地として発展。たちまちビーチ沿いには観光客向けのレストランや土産物屋が並ぶようになります。2000年代に入ると、インド経済の好調により、今度は外国人旅行者よりもインド人の国内旅行者が増えてくるようになりました。

短期ならビーチフロント、長期滞在なら経済的なゲストハウスへ

ビーチに来るインド人は家族連れが多く、1泊か2泊して帰っていくのが一般的です。日本人が国内の海水浴場に行く感覚でしょうか。一方、西欧人旅行者は1週間以上滞在する者も少なくありません。ただし日数が長くなると、高いオンザビーチのホテルでなく、50mや100mぐらい奥に引っ込んだ経済的なゲストハウスに泊まっていたりします。宿泊料金は、ビーチフロントやシービューが臨める大きめのリゾートホテルは、1泊1部屋あたり日本円にして4000〜1万円ほど。細い路地を入った陸側のゲストハウスなら2000円以下。目的に合わせて、どちらかにすればいでしょう。(その3に続く)