- 秋野ヒロシ
- パラオ在住。ダイビングガイド。97年に武者修行のために訪れた時に、この海に惚れ込み早10年。「データ」が大好きでいろんなコトをすぐに数字化して分析したがる「分析フェチ」。ブダイ以外の魚はだいたいイケルが、外洋性一発系の魚に果てしないロマンを感じる。日本酒より焼酎。肉より魚。苦手なのは甘い物。
出発エリアをに変更しました。
いつも“つがい”でいるオレンジフィンアネモネフィッシュ。派手な体色は青い海の背景にとても映える
世界で一番魚の種類が多いと言われている東南アジアのすぐ横に位置するパラオは太平洋で一番魚の多い海だと評されています。その数およそ1400種。熱帯のこの海の水温は30度。生き物が住みやすい水温だというのもこの場所に魚が多い理由の一つなのでしょう。
パラオではミクロネシア固有の魚を何種も見ることもができます。そのうちの一つがオレンジフィン アネモネフィッシュ。鮮やかなオレンジのヒレをもつ可愛らしいクマノミの仲間です。今回はこの舌が絡まってしまいそうに長い名前のオレンジフィン アネモネフィッシュを紹介したいと思います。
まるで絨毯に包まっているかのようなオレンジフィンアネモネフィッシュ。このイソギンチャクは刺胞はあるが人間が触っても問題はない
イソギンチャクは英語でアネモネなので「アネモネフィッシュ」。そしてヒレがオレンジだから「オレンジフィン」。これがオレンジフィンアネモネフィッシュの名前の由来です。アネモネフィッシュという名前通り、クマノミの仲間はイソギンチャクとその生涯を共にします。イソギンチャクは他の魚からすると刺胞を持つ危険な生き物。しかしクマノミはこの毒に対する耐性をもっているため刺されません。この毒のベッドこそ愛らしいクマノミたちの身を守る秘密兵器なのです。
そんな毒のベッドも人間からするとフワフワの絨毯に見えてしまいます。オレンジ色の体色が楽しそうに絨毯に潜っていくのを見ていると、なんだか真似をしたくなります。
潮が引いたときにできる砂洲で休憩。こういった遊びもダイビングツアーの醍醐味だ
パラオはオレンジフィンアネモネフィッシュの数は多いので、外洋のドロップオフポイントなら大体どこでも見られると思います。旧首都コロールからならメジャーなポイントまではボートで1時間ほど。各ダイビングショップで催行されているダイビングツアーに参加するとガイドが安全に案内してくれます。この魚は1年中見られるのでシーズンの心配もなし。初心者の人でもゆっくり止まって見られるのでこれまた安心です。水面から太陽の光が差し込む真っ青な海の中、絨毯に包まったオレンジ色の綺麗な魚を見ているとなんだかとても癒されます。固有ですからこの魚はミクロネシアでしか見られないわけです。パラオに来て是非ここでしか会えない魚に癒されてみませんか?
スピードボートはパラオの水面を滑るように走っていく。時速50kmものスピードが出るので乗っていて爽快だ
アクセス:旧首都コロールのホテル滞在の場合は、各ダイビングサービスにより終日2ダイブ(送迎・ドリンク・ランチ付き)でUS110ドル(12,000円)前後が相場。 ※レンタル機材など除く。
ほかに、離島(カープアイランド、ペリリュー島)などのダイビング宿&サービス発のツアーもあり。
パラオ・コロール州海域でダイビングを行う際には、25ドルのダイビング税が別途必要、また、安全装備のシグナルフロートの携行が義務付けられているので注意。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2008/02/15)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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