「サモア」といえば、ふつうはどちらのこと?

南太平洋には島々からなる小さな国がたくさんあり、どれがどこにあるのかよくわからない人も多いでしょう。たとえば「サモア」といっても、実は2つあると知っていましたか? ひとつは、通常「サモア」と言った時に指す「サモア独立国」。そしてもうひとつが、「アメリカ領サモア」です。南太平洋のちょうど真ん中辺り、日付変更線の東西に分かれてサモア諸島があります。住んでいる人々は言語や習慣も同じポリネシア系のサモア人。3000年ほど前にアジアを経由してこの地域にやって来た人々で、10世紀頃からトンガ王国の支配下に入りますが、13世紀に独立します。18世紀になるとヨーロッパ人が来航し、宣教師による布教が始まり、住民のキリスト教化が進みます。

南太平洋の島国サモア。実はサモアは2つあるって知っていましたか? 南太平洋の島国サモア。実はサモアは2つあるって知っていましたか?

たどって来た歴史の違いが現在にいたる

サモアにはトンガのような強い国王はおらず、各首長が治めていました。そこで、19世紀末に西部をドイツ、東部をアメリカが領有するようになります。ドイツ領はやがてニュージーランドの統治下に入り、国連の信託統治下を経て、1962年に独立を果します。アメリカ領サモアはそのまま独立はせず、準州扱いで現在に至ります。両者を我々はよく混同しがちなのですが、基本的な文化は同じ。しかし100年以上も別な国だと、もとは同じでも、やはり微妙な生活習慣は変わって来てしまいます。

アメリカ依存を離れるサモアと残ったサモア

もともとは両国とも同じタイムゾーンに属していましたが、サモア独立国の方は2011年の末から日付変更線の東から西へ移動しました。それまでのマイナス11時間からプラス13時間にです。そのため、今では「世界で最も早く日付が変わる国」のひとつになりました。アメリカ領サモアはそのままです。タイムゾーンを替えた理由は、アメリカ領サモアはアメリカに依存しているので本土と同じ日付のほうが便利なのに対し、サモア独立国は政治的にも経済的にも関係が深いニュージーランドやオーストラリアと同じ日付側にいたほうが、何かと便利だからです。

サモアはこれからどうなるのか

実際、サモアの人たちは「そこに住んでいる人よりも海外にいるサモア人の方が多い」といわれるくらいなので、海外とのやり取りが多いのです。2010年からは、ニュージーランドなどに合わせてサマータイムを導入。また、それより早い2009年から車線を左側に変更するなど、着々と改革を進めていたのです。こうしてもとはひとつだったサモアですが、今では大きな変化が訪れています。