世界で3番目に小さいミニ国家、ナウル

フィジー、サモア、トンガ…。太平洋に散らばる小さな島嶼国家は、国土が狭いミニ国家の宝庫。その中にバチカン、モナコに次ぐ世界で3番目に小さいミニ国家、ナウルがあります。ナウルは諸島ではなく、一周約20キロと伊豆大島の1/4ぐらいのナウル1島からなり、そこに約1万人の住民が住んでいます。地理的には東京とニュージーランドのオークランドを結ぶ線のちょうど中間ぐらい。赤道を越えてすぐのところにあります。

資源枯渇で経済破綻! 南洋のミニ国家、ナウルがとった数々の奇策とは? その1 資源枯渇で経済破綻! 南洋のミニ国家、ナウルがとった数々の奇策とは? その1

ナウルの歴史を簡単に説明しましょう

ナウルにはもともとポリネシア系やメラネシア系の住民が住んでいました。ここに西欧人が初めて訪れたのは18世紀末のこと。最初はあまり注目されることはありませんでしたが、1888年にドイツ領となったあとに、豊富なリン鉱石が発見されます。第一次世界大戦後は国際連盟の委任統治領に、日本軍占領期を経て第二次世界大戦後は国連の信託統治領になりますが、リン鉱石の採掘が続けられます。国際機関の統治下とはいえ実質的には、ナウルはリン鉱石の採掘権を持ち続けているイギリスの影響のもとにありました。イギリス連邦内の国として独立を果したのは1968年のことです。

なぜそんなに小さいのに独立できたの?

先に書いたように、ナウルは国家として成り立つには難しいほどのミニ国家なのですが、周辺の国々とは違い、リン鉱石という資源がありました。周辺諸国に編入されるより、イギリスとしては傀儡国家として単独で独立させた方が扱いやすいし、住民もそれを望んだのでしょう。石油が採れるからそこだけ独立しているクウェートのような感じに近いのかもしれません。さて、石油と違って、私たちにはなじみの薄いリン鉱石ですが、そんなに重要な資源なのでしょうか。

ナウルを支えた「グアノ」とは?

ナウルで採れるリン鉱石は「グアノ」と呼ばれるもので、アホウドリなどの海鳥のフンや死骸が、数千年から数百万年に渡って堆積し、石になったものです。これは豊富なリンを含むため、おもに農肥料に使われます。このグアノに注目が集まったのは、19世紀末のこと。1879年にチリとボリビア&ペルーが争った「太平洋戦争」のように、世の中にはこのグアノの権利を巡って戦争さえ起きたことがあるほどでした。つまりナウルは、サンゴ礁の島の上にやって来た海鳥のフンが、長い間に積もり積もってできた島なのです。しかしその豊富なリン鉱石なしに、ニュージーランドの農業は成り立たなかったといいます。そんなナウルの経済を支えたリン鉱石ですが、資源に際限がないことはありません。やがて枯渇する日が来たのです。(その2につづく)