とうとう、リン鉱石が枯渇してしまった!

その2からの続きです。1989年、初めてリン鉱石の採掘量が減少します。この年、財政不足から東京にあった在日本ナウル大使館が閉鎖されます。1990年代に入り、世界的にバブルがはじけると同じくしてナウルのリン鉱石は枯渇します。先行きは見えていたので、国家は何とかして経済を立て直そうと努力はしていました。しかし、30年近く、ほとんど働いたことがない国民ですから、商売がうまくいくはずがありません。以下、ナウルが失敗した政策(奇策)の数々を紹介してみたいと思います。

資源枯渇で経済破綻! 南洋のミニ国家、ナウルがとった数々の奇策とは? その3 資源枯渇で経済破綻! 南洋のミニ国家、ナウルがとった数々の奇策とは? その3

お金さえあれば、誰でも銀行が作れる!

ナウルは銀行の認可を簡単にし、世界中の人々が自分で銀行を作れる法律を作りました。ナウルに住所と郵便箱さえあれば、銀行を作れるというものです。登録料は2万5000ドルで、年間更新料は1000ドル。登録はインターネットででき、多い時には400もの銀行が設立されたといいます。しかし、そんなシステムに真っ先に目を付けたのが犯罪者たちでした。ロシアンマフィアからイスラムのテロ組織まで、世界中の犯罪組織が顧客になります。しかし、犯罪取り締まりをしている国にとっては言語道断の行為です。とくにテロリストの資金源を断ちたいアメリカにとっては敵対行為も同然でした。アメリカの銀行の行員がナウルの銀行を使って、ロシアンマフィアの資金洗浄をしていたことも発覚し(1998年にロシアンマフィアから年間700億ドルの送金があった)、ついに国際的な制裁を受け、2004年にはオフショアバンクの免許が取り消され、この事業は失敗します。まあ、当然ですよね。

パスポートをじゃんじゃん売って儲けよう!

日本では二重国籍が認められていませんが、アメリカやカナダなど世界にはそれが認められている国があります。それに目を付けたのか、ナウルは国籍とパスポートの販売をする奇策に出ます。料金は1万5000ドルから3万5000ドルだったそうです。しかし、これもいい犯罪の道具ですよね。2000年代初頭、世界各地で捕まったテロリストの多くがこのナウルのパスポートを持っていたそうです。怒ったのはアメリカだけではないはずで、やはり国際的に非難を浴び、結果的にナウルの国民を入国させないという国が増えてしまいました。2003年にアメリカに亡命したナウル大統領は、滞在先のアメリカで海外向けのパスポートの発給停止とオフショア銀行の閉鎖を宣言(させられたのだと思います)。しかしその会議中に心臓発作で倒れ、数日後に亡くなります…。(その4につづく)