アメリカ軍の基地が置かれていたルーガンビル

その2からの続きです。もうひとつ、バヌアツの島を紹介しましょう。それはバヌアツで最大の島、エスプリッツ・サント島、通称“サント島”です。ポートビラからは北北西に250キロメートル離れたところにあるので、やはり国内線で向かいます。島の中心となる町はルーガンビル。先に第二次世界大戦時にアメリカ軍が、ここに大きな駐屯地を置いたことを述べました。それがいかに大きかったかというと、当時の全バヌアツの住民4万5000人を遥かに上回る、10万人の兵士がいたのです。複数の滑走路と港、4つの病院に54の映画館という、これはちょっとした都市でした。それを何もなかったところに切り開いて作ったのです。物資はすべてアメリカから輸送しました。しかし終戦と共に、アメリカ軍は引き払います。

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大量の物資を海に投棄したアメリカ軍

アメリカ軍はここを引き払う際に、不要になったものを売り払おうとしました。電化製品から発電機、トラクターなど、ありとあらゆるものです。島民には買えませんでしたから、買い手は植民地にしていたイギリスとフランスです。しかし売れ残ったものも膨大にあり、アメリカ軍はそれを廃棄することにしました。今だったら「無料であげても」と思うのですが、まだ独立国ではなかったのでいろいろ問題があったのでしょう。まだ使えるものをトラクターで海に廃棄し、最後にはトラクターも海に落として沈めてしまいました。島民には使えるものを捨ててしまうなんて、まったく理解できなかったに違いありません。

百万ドルの価値がある、ミリオンダラー・ポイント

やがて、廃棄した浜辺にはそれらが打ち上がり、島民はそれを拾って生活に役立てたと言います。そのため、この場所は「ミリオンダラー・ポイント」と呼ばれるようになりました。今ではサント島有数の観光地で、引き潮のときは砂浜で見学でき、満ち潮のときは沈んだ廃棄物に棲む魚を見る、絶好のダイビングスポットとなっています。

沈没した大型客船を見に行くダイビング

この島でもうひとつ人気なのが、海に沈んでいる大型船クーリッジ号を見に行くダイビングです。クーリッジ号は1931年にアメリカで2番目に大きな豪華客船として造られた長さ201メートルの船で、第二次世界大戦時には兵士の輸送船として使われていました。しかし1942年10月に5000人の兵士を輸送中に、自国の機雷に接触し沈没。そのため、今でもルーガンビルの海岸から100メートルしか離れていない場所に沈んでいます。この沈没船を見に行くダイビングツアーが、バヌアツの旅行会社で申し込めます。沈船は大きいので、初心者からダイビング上級者までさまざまなコースがありますよ。

サント島のその他の見どころ

サント島は広いので、そのほかにも真っ白なパウダーサンドのビーチや、湧き水でできた青い池の「ブルーホール」などがあります。このブルーホールは全部で6つあり、どれも微妙に色が異なります。また、巨大洞窟「ミレニアム・ケーブ」も定番の観光名所です。(その4につづく)