- Chiri
- 東京都在住。20年の出版社勤務を経て、フリーに。訪れた国は45ヵ国、海外旅行の回数は100回以上。いまだにビクビク、オロオロの旅をしている、へっぽこトラベラーです。地元の人でにぎわう街をウロウロするのが何より好き。へっぽこな視点でがんばります!
出発エリアをに変更しました。
ガラス張りの外観で入りやすい
アルバニア北部の都市、シュコドラ。町の南側を走る大通り沿いに、新しそうで大きな店舗があったので入ってみました。名前はJumbo。あとで調べてみたら、バルカン諸国で展開しているギリシャ発のおもちゃのチェーン店でした。子ども用の玩具のほか、季節のちょっとしたアウトドアグッズ、化粧小物、文房具やインテリア用品、キッチン雑貨などがあり、大人も充分に楽しめます。値段は安価。広い店内に商品がぎっしりで、こんな面白いお店がシュコドラにあるとは! 旅で使える便利なものが見つかるかもしれませんから、のぞいてみてはいかがでしょう。
Jumboの店内はカラフルな雑貨がいっぱい
そこから南へすぐ、川沿いの道の入口付近にスーパーマーケットがあります。町に何店かあるチェーン店で、ここは店構えがかなり大きかったです。旅人にとっても、便利。食料品のほかに、日用雑貨も並んでいました。私はこういうところにある雑貨を見るのが好きなので、何度か行き、自分用のお土産を買い込みました。アルバニアとは何の関係もないものですが、家で普通に使いながら、「これはアルバニアで買ったのだ」と思い出すだけでいいのです。
スーパーのそばにはこんな風景が広がる
こうした大型店でのショッピングは「快適で楽しいな」と思っていましたが、住む人にとって心境はさまざまなよう。ヨーロッパの先進国出身で、シュコドラが気に入って移り住んだという宿のスタッフは、川の近くの大型スーパーを指して「あそこに店ができてがっかり。せっかくの自然の景観が台無し」と嘆いていました。大きな建物が建つ前は、別の風景が見えていたのでしょう。それを知っている人にとっては、開発が進んでいつのまにか、どこにでもあるような町になりかねないと心配する気持ち。言われてみてハッとしました。
ゾロゾロと移動していく羊たち
あるとき、その大型スーパーの前にいたら、びっくりする光景が。コンクリートのエントランスに羊の群れが現れ、次々と通り過ぎていくのです。整然とした群れは、慣れた感じで一つの方向へ向かっていきます。後を追ってみたら、スーパー裏手の土地が放牧地のよう。彼らにとってはここを通るしかないのでしょう。近代的なスーパーの建物と、羊たちとのギャップに驚かされました。
手の届く距離に馬たちがやってきた
さらに近くの公園のベンチにすわっていたら、車の行き交う大通りを、一頭の立派な白馬が駆け抜けていくではありませんか。誰かの馬なのでしょうが飼い主は見当たらず、ただ白い馬が車に混じって、通りをパカパカと走っていくのです。あっけにとられていると、あとから茶色い馬たちも加わり、私のいる公園内へ。至近距離に迫ってきて怖い感じもしつつ、自由にうろつく馬たちになんだか感動しました。都会のようで田舎のような、きわどいバランス上にある今のシュコドラ。便利さと、昔ながらの暮らしとのはざまで、どう変わっていくのでしょう。刻々と変わりつづけるアルバニアの町は、そんな面でも気になる場所です。
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