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海外現地発ガイド通信

18世紀から全く手を加えられていない世界遺産エッゲンベルク城


掲載日:2019/07/19 テーマ:世界遺産 行き先: オーストリア / グラーツ

タグ: 一度は行きたい 宮殿 珍しい 歴史


この地方の有力者エッゲンベルク伯爵の城だった

正面中央のアーチを潜ると中庭に出て、右手に城のインフォメーションがある 正面中央のアーチを潜ると中庭に出て、右手に城のインフォメーションがある

ウィーンから南へ電車で2時間半から3時間ほどのグラーツは、オーストリア第2の都市だ。スロベニアとの国境も、そう遠くはない。ハプスブルク家とゆかりの深い古都で、町の歴史的な部分が1999年、世界遺産に登録されている。第2の都市、と言ってもウィーンとは比較にならないほど長閑で、遠くまでやって来たな、という感じがする。ムール河畔に広がる旧市街は中央駅から近く、トラムで10分もかからないほどだ。駅前広場は長いこと工事中だったが地下にトラムの停留所が完成してとても便利になった。駅から旧市街とは反対方向、トラムの1番に乗ってエッゲンベルク城へ向かう。城は駅から3キロほど西にあり、停留所の名前もエッゲンベルク城。トラムを下りて城の囲いを廻った所が入口になっている。

18世紀に絶滅したエッゲンベルク侯爵家

城内最大のみどころは大きな「惑星の間」 copyright:Schloss Eggenberg 城内最大のみどころは大きな「惑星の間」 copyright:Schloss Eggenberg

城は広大な敷地の中にあり、まず城門で。敷地内への入場料2ユーロが必要。これは城内見学料とは別になっている。庭には数カ所かにフランス庭園が設けられているので、時間があれば庭園の見学もしてみたい。入口正面から遠くに城が見える。山を背後に森に囲まれ、4隅に塔の部屋を持つ正方形の城館である。17世紀前半に建設されたので、後期ルネサンス様式にゴシックの要素が少し混ざった外観になっている。城の当主ハンス・ウルリヒ・フォン・エッゲンベルク侯爵がイタリア人建築家を起用して建てた城で1625年から工事が始まり、1635年に完成した。エッゲンベルク侯爵家の血筋が絶えた18世紀半ば、城を得たヨハン・レオポルト・ヘルバーシュタイン伯爵は内部をロココ様式に改築した。

自然光で行われるガイドツアー

特殊な色合いの赤が美しい歴代城主の寝室 特殊な色合いの赤が美しい歴代城主の寝室

城の見学はガイドツアーで行われる。驚いたことに、この城は照明が電化されておらず、シャンデリアの燭台には無数のロウソクが飾りとして設置されている。18世紀半ばに改築されて以来、修復工事を一度もせずに今日まで保存されてきたからである。電気が無いので城内の見学は全て自然光で行われる。そのため、暗い冬場は休館となる。このような城は大変珍しい。城は最初に建てたハンス・ウルリヒ・フォン・エッゲンベルク侯爵の世界観が投影されている。4つの塔は四季または4方向、あるいは火・風・水・土の四大元素を意味し、窓を1年の日数365に合わせ、12カ所にある門は月数を、3階には1日の時間と同じ24の部屋がある。説明されなければ気付かない侯爵のこだわりだが、知ればそれなりに面白い。

世界遺産グラーツの歴史地区へ新たに城が加わる

カード遊びを楽しんだ「プレイルーム」の壁には貴族が野外のテーブルでカードをしている様子が描かれている カード遊びを楽しんだ「プレイルーム」の壁には貴族が野外のテーブルでカードをしている様子が描かれている

城のハイライトは「惑星の間」と呼ばれる大きなホールで、全ての壁と高い天井をフレスコ画が埋め尽くしている。絵と絵の間に施された真っ白な漆喰のレリーフが美しい。「演劇の間」の壁には貴族たちの踊りの輪の外側で農民たちが楽しく踊っている様子が描かれている。歴代城主の寝室には天井まで届く高い天蓋付きの大きなベッドが置かれ、カード遊びをしたプレイルームの木製テーブルには、掛け金用のコインを置く丸い皿が彫られている。それぞれ特徴があって興味深い。これらのほかにこぢんまりとした小部屋がいくつか並び、18世紀に流行っていた「陶器の間」には中国や日本の皿が壁に埋め込まれている。最も貴重な小部屋は「日本の間Japanishes Kabinett」で、ここには“大阪絵屏風”が壁に埋め込まれている(次回単独で紹介)。18世紀以来、一度も手を加えられていないエッゲンベルク城は2010年に世界遺産に登録された。

データ

壁のグリーンがシックでエレガントな「陶器の間」 copyright:Schloss Eggenberg 壁のグリーンがシックでエレガントな「陶器の間」 copyright:Schloss Eggenberg

エッゲンベルク城
Schloss Eggenberg

住所:Eggenberger Alle 90, 8020 Graz
電話:+43 316 8017 9560 あるいは +43 316 8017 9532
開:4月から10月までの火曜日〜日曜日、08:00〜19:00
城内はガイドツアーで見学可能:10時、11時、12時、14時、15時、16時
休:月曜 
城内は11月から3月まで休館
庭園は11月から3月の間も月曜を除く08:00〜17:00までオープン
料:入場料 2ユーロ、 城内見学は別料金で15ユーロ
アクセス:トラム1番でEggenberg/UKH行きに乗り、エッゲンベルク城Schloss Eggenberg下車、徒歩2分

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2019/07/19)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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