世界遺産グラーツのエッゲンベルク城

オーストリアの地方都市グラーツは、世界遺産の町でもあります。エレガントな街並みが残っていて、町歩きをするのも楽しいのですが、今も市内に残っているエッゲンベルク城にもぜひ足を延ばしてみましょう。ここには、日本ゆかりの品が展示されています。それは、豊臣秀吉時代の大阪城とその城下を描いた屏風絵です。17世紀ごろの作品で、オランダ経由でエッゲンベルク家が購入したものではないかといわれています。かつて、東洋の美術品はエキゾチックなものということで、ヨーロッパ貴族の間で流行しましたので、その流れでグラーツにやってきたのかもしれません。歴史を感じますね。

オーストリアの地方都市グラーツの城に残る日本のアート オーストリアの地方都市グラーツの城に残る日本のアート

ここに行かないと見ることができない大きな屏風絵

エッゲンベルク城所蔵の屏風絵は、もともと高さ182センチ、幅480センチもある巨大なものです。一度、城内の装飾のために解体されてはいますが、気軽に持ち出しできる大きさではないので、まず、ここに行かないと見ることができないと思っていいでしょう。2006年、屏風絵が再発見され、オーストリアはもちろん、ドイツや日本も加わり研究がなされました。日本側では、関西大学が協力しています。17世紀ごろの大阪の風景を描いた作品は、日本には残っておらず、たいへん貴重なものだそうです。大阪城、また城下の様子、武士や町人の姿が生き生きと描かれていて、華やかなりしころの大阪の様子がよくわかります。

エッゲンベルク城と大阪城のゆかりは続く

この屏風絵が取り持つ縁で、エッゲンベルク城と大阪城は友好城郭提携を結びました。ですが、もともとはエッゲンベルク家が屏風絵を購入した17世紀ごろからの縁があったわけですので、それを考えると古いお付き合いですね。屏風絵は、もともと八曲一隻の姿だったようですが、今は一扇ずつ分解されて城内の「日本の間」の壁にはめ込まれています。なおエッゲンベルク城は、4月から10月までのオープンで、冬場は閉まっています。グラーツ市の観光局の方にお伺いしたところ、城内の暖房設備が不十分だからとのことです。ですので、ぜひ、暖かい時期にお越しになってくださいね。