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海外現地発ガイド通信

エゴン・シーレのコレクションでは世界最大のレオポルト美術館


掲載日:2018/11/12 テーマ:美術館・博物館 行き先: オーストリア / ウィーン

タグ: 素晴らしい 美術館 名画


惹きつけられるシーレの絵画

レオポルト美術館の「「枢機卿と尼」。クリムトの「接吻」を捩った、まるでパロディのような絵だがシーレの傑作。 レオポルト美術館の「「枢機卿と尼」。クリムトの「接吻」を捩った、まるでパロディのような絵だがシーレの傑作。

エゴン・シーレが亡くなって2018年は丁度100年になる。同年に亡くなった画家クリムトや建築家ヴァーグナー、デザイナーのモーザなど20世紀モダニズム芸術家たちを偲んでウィーンでは様々な特別展が開催され、それは2019年まで続いている。その中で、わずか28歳の若さで亡くなったシーレのことが最も印象深く、心に残る。甘美な雰囲気が漂うクリムトの絵は美しくてポスターを買って部屋に飾っておきたくなる。しかしシーレの絵は色使いが暗く、人物画も痛々しくて、これを毎日眺めていたいと思う人はそう多くないであろう。だが、美術館で眺めるシーレの作品は実にいい。色彩豊かなクリムトの絵よりも長く足を止めてじっくり鑑賞してしまう。それほど訴えかけてくるものがあるのだ。

鑑識眼のあったレオポルト夫妻

レオポルト美術館ではシーレの絵をこのようにゆっくり鑑賞することができる レオポルト美術館ではシーレの絵をこのようにゆっくり鑑賞することができる

赤裸々な肉体や性の表現など、シーレはそれまで描くことをタブーとされていた分野に躊躇わず挑戦した。風景画でも、まず人が選ばないであろう廃屋や枯れ木を題材に描いている。シーレのそうした寂しい絵から、盛んにメッセージが送られてくるのだ。それにしても名前が売れていなかったシーレの絵をこんなにもたくさん集めた人って、誰なのだろう。それはかつて医学生だったルドルフ・レオポルト。夫人のエリザベートと共にシーレの絵を集めたので、コレクターの名は“エリザベート&ルドルフ・レオポルト”となっている。二人は50年以上かけて20世紀前半のオーストリア美術作品を収集しその数は5000点以上に及ぶ。コレクションはオーストリア政府と銀行の協力で財団が設立され、2001年にオープンしたレオポルト美術館に収められている。

シーレのファンに必見のレオポルト美術館

「モルダウ河畔のクルマウ」と題された作品。クルマウとはチェスキー・クルムロフのこと。 「モルダウ河畔のクルマウ」と題された作品。クルマウとはチェスキー・クルムロフのこと。

マリア・テレジアの像が立つマリア・テレジア広場には美術史美術館と自然史博物館が向かい合っている。その向こう側(王宮とは反対側)に広がるのがムゼウムス・クヴァルティーア(博物館地区)だ。いくつかの博物館や美術館が集まっているが、ダントツに入場者の多いのがシーレのコレクションで世界最大を誇るレオポルト美術館。ここはシーレの絵画42点が常設展示されているので特別展開催中でなくても大丈夫。日本語のオーディオガイドがあり、ひとつひとつ詳しい説明が聞けるので大変解りやすい。シーレは母の出身地である現在チェコの人気観光地チェスキー・クルムロフを何枚も描いている。実際の町は色彩豊かで明るいが、シーレが描くこの町は全て陰影を帯びている。

惜しまれる若き天才画家の死

シーレ作の第49回ウィーン分離派展のポスター「テーブルを囲んで」 シーレ作の第49回ウィーン分離派展のポスター「テーブルを囲んで」

シーレはクリムトがウィーン分離派を脱退した後、1913年と1918年の分離派展覧会に作品を出している。1918年の第49回ウィーン分離派展に準備したものが彼の最後の作品となった。シーレは当時ヨーロッパで流行していたスペイン風邪にかかり、10月31日に28歳で世を去ったのである。若くして亡くなったため、半ば忘れ去られようとしていたシーレの絵に目を留め、これぞ現代美術であると直感したのがルドルフ・レオポルトだった。シーレの絵を集めたレオポルト夫妻は、ヨーロッパやアメリカの美術館を訪れてシーレの絵の価値を説いて回った。その結果、20世紀後半になってやっとシーレの絵が世界に知られ、高い評価を得るようになった。レオポルト美術館を訪れる度にレオポルト夫妻の鑑識眼に敬服するのである。

データ

ムゼウムス・クヴァルティーアのレオポルト美術館入口 ムゼウムス・クヴァルティーアのレオポルト美術館入口

レオポルト美術館
Leopold Museum
住所 : Museumsplatz 1 im MQ, 1070 Wien
開館時間 : 10 時から18 時、(木曜日は21 時まで )
休館日 : 毎週火曜日 ( 6月、7月、8月は無休 )
入館料 : 13ユーロ
電話  : +43 1 525.70-0
E-mail: office@leopoldmuseum.org
https://www.leopoldmuseum.org/de/sprachen/ja
アクセス : 
地下鉄U3のフォルクステアターVolkstheater下車
地下鉄U2のムゼウムス・クヴァルティーアMuseumsQuartier下車
市電 1, 2, D のフォルクステアター Volkstheater下車

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2018/11/12)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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