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海外現地発ガイド通信

クリムト絵画の所蔵では世界一のベルヴェデーレ宮殿


掲載日:2018/11/30 テーマ:美術館・博物館 行き先: オーストリア / ウィーン

タグ: 宮殿 素晴らしい 名画 歴史


あの「ユーディット」が東京にやって来る!

旧約聖書の「ユーディット記」を題材にしたクリムトの「ユーディット」。ベルヴェデーレ宮殿所蔵。 旧約聖書の「ユーディット記」を題材にしたクリムトの「ユーディット」。ベルヴェデーレ宮殿所蔵。

2019年は日本とオーストリアが国交を樹立して150年になる。これを記念して日本では東京都美術館に於いて4月半ばから7月初めにかけて大規模なクリムト展が開催される。過去に行われたクリムト展の中で最も大きく、クリムトの作品20点が展示される。オーストリアからは黄金きらめく、あの「ユーディット」や緑の色彩が美しい「アッター湖畔のカンマー城」などがやってくるのだ。「ユーディット」をはじめ、多くのクリムトの作品が常時展示されているのがウィーンのベルヴェデーレ宮殿。クリムトのコレクションでは世界一で、最も有名な「接吻」はここにある。館内では19世紀末から20世紀初頭にかけてのウィーン・モダニズム画家たちの作品が充実しており、エゴン・シーレの「死と乙女」や1918年、亡くなる直前に完成した「家族」も観ることができる。

クリムトが愛したアッター湖の風景画

アッター湖畔で描かれた作品のひとつ、「アッター湖畔の森の家」。ベルヴェデーレ宮殿所蔵。 アッター湖畔で描かれた作品のひとつ、「アッター湖畔の森の家」。ベルヴェデーレ宮殿所蔵。

アッター湖は、ザルツブルクに近いザルツカンマー・グートと呼ばれる山に囲まれた湖の多い地方にある大きな湖だ。クリムトは夏になると避暑のために時折ここを訪れていた。その時にアッター湖畔の絵をいくつか描いている。ここでクリムトはモーターボートを買い求め、湖へ出てボートの上から湖畔の景色を描いていた。当時、モーターボートは非常に稀な乗り物で、クリムトはオーストリアで最初の所有者ではないか、とも言われている。アッター湖の風景画は数枚あるが、ニューヨークなど国外へ流出していったものもある。オリジナルを間近で眺めると、絵葉書やポスターで見る色合いとは異なり、実物はこんなにも美しい絵だったのか、と感動する。クリムトが好んで描いた野の花は、その部分だけポスターになって販売されているほどだ。

展覧会クンストシャウのために描かれた「接吻」が大評判になる

壁に1枚だけ展示されているクリムトの代表作「接吻」。ベルヴェデーレ宮殿所蔵。 壁に1枚だけ展示されているクリムトの代表作「接吻」。ベルヴェデーレ宮殿所蔵。

数多くのクリムト絵画の中で、最も有名なのはやはり「接吻」であろう。1908年に描かれた、180×180cmという大きな作品だ。この絵の前には常に大勢の人が立ち止まって長い間眺めている。金箔が眩しいほど使われており、クリムトが尾形光琳など金箔を用いる日本画の影響を受けて自分流に取り入れたことが伺える。絵の構図は、野の花が咲き乱れる草原に座っている様な二人だが、女性のすぐ後ろは崖のように描かれている。男性はクリムト自身、女性は最愛の恋人エミーリエ・フレーゲとされている。男性は半ば荒々しく接吻を迫っているように感じるが、女性はうっとりと幸せそうな表情をしている。この作品は1908年にクリムトが建築家ヨーゼフ・ホフマンと共に開いたクンストシャウKunstschau1908に出展されて大好評を博したものだ。

宮殿建設から今日のギャラリーに至るまで

ベルヴェデーレ宮殿の正面入り口。絵画館へは裏手の庭園側から入る。 ベルヴェデーレ宮殿の正面入り口。絵画館へは裏手の庭園側から入る。

ところでこの素晴らしいベルヴェデーレ宮殿は、1723年にプリンツ・オイゲン公によって建設されている。プリンツ・オイゲン公はフランスの貴族出身だが、当時は宿敵であったハプスブルク家に仕えて忠実な家臣となり、軍人として多くの功績を残した。彼の死後、宮殿はハプスブルク家の所有となり、マリア・テレジアは1776年に宮殿をハプスブルク家のギャラリーにすることを決断。1781年にオープンしたオーストリア絵画館は、一般公開された世界で最初の美術館の一つになった。1891年に美術史美術館が完成すると、絵画はそちらへ移り一時閉鎖に。その後、1903年に再び新たな美術館が開かれた。クンストシャウに出展されたクリムトの「接吻」は展覧会終了後ただちに国に買い取られ、ここに展示された。そしてそれ以来、ずっとこの場所にある。

データ

館内では時おり専門家による解説も行われている 館内では時おり専門家による解説も行われている

ベルヴェデーレ宮殿 SchlossvBelvedere
19世紀・20世紀オーストリア美術館

住所:Prinz Eugen Strasse 27, 1030 Wien
Tel. +43 1 795 570
開館時間:毎日 09:00〜18:00 (金曜日は〜21:00)
入館料:15ユーロ
www.belvedere.at
info@belvedere.at

 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2018/11/30)
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※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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