美しい図書館はどこにあるのでしょうか

ヨーロッパには、宮殿と見まごうような絢爛豪華な装飾がなされた室内に中世の皮装の分厚い蔵書が整然と並んだ、ヨーロッパの歴史と英知が詰めこまれたような図書館がいくつもあります。これらの図書館を大きく分けると、1.王宮図書館、2.大学図書館、3.修道院図書館 に分けられます。他の2つはともかく、修道院に立派な図書館が多いのは、キリスト教の教義を伝え、研究するために書物を作り出し、保存するために書物を残す必要があったからです。質素であるべき修道院の図書館が華やかに装飾されているのは、神やキリストの教えに満ちた場を称えるためなのですね。

ため息が出るような美しさ!!ヨーロッパの絢爛豪華な図書館をめぐる(その1) ため息が出るような美しさ!!ヨーロッパの絢爛豪華な図書館をめぐる(その1)

ウィーンの王宮内国立図書館大広間プルンクザール

『世界一美しい図書館』の呼び名も高い、ウィーンの王宮の敷地内にある国立図書館の大広間プルンクザール。マリー・アントワネットの祖父カール6世の命によって建設され、1735年に完成した奥行き約80メートル、高さ20メートルのバロック様式の大広間は、まるで大聖堂のようです。中央のドーム型の天井はダニエル・グラン作のフレスコ画で埋め尽くされていて、しばらくはあんぐりと口を開けて上を見上げるばかり。蔵書は約20万冊で、本を手にとってみることはできませんが、時期によってコンセプトに合わせた本を展示しています。

ポルトガル・コインブラ大学のジョアニナ図書館

私が個人的に大好きなコインブラ大学のジョアニナ図書館は、時間ごとのガイドつきツアーでのみ見学できます。優美な木の正門は閉ざされていて、ツアーは別の入り口から中に入ります。内部は、赤いじゅうたんが敷かれ、木の本棚に施された金泥細工が落ち着いた光を放っていて、きらびやかな美しさというよりも、学問の場である重厚な雰囲気が漂っています。1290年にリスボンで創立されたのち1308年にコインブラに移転された、ポルトガルで最も古い名門の大学にふさわしい佇まいをしています。このジョアニナ図書館を含むコインブラ大学は、2013年に世界遺産に登録されました。

スペイン・王立エル・エスコリアル修道院の図書館

正式名は王立サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル修道院といい、スペインが最も栄華を極めた時代、時の王フェリペ2世によって建てられた宮殿・修道院・スペイン王家の霊廟と図書館を含む、政治と宗教と文化が一体となった複合施設です。幅10メートル、奥行き55メートルの図書館のアーチ状の天井は、イタリアの建築家で画家でもあったティバルディのフレスコ画で埋められています。時代をさかのぼった様々な言語で書かれた本のコレクションや、奥の部屋には、さらに貴重な写本や発禁本なども展示されています。図書館というよりも、スペインの黄金期を象徴する博物館といってもいいかもしれません。