シルクロードの中継地だったシェキ

アゼルバイジャン東部にシェキという街があります。紀元前後に存在したといわれる古代アルバニア以前までさかのぼるといわれる古い街ですが、1722年の洪水で壊滅し、5km南へ移動しました。それが現在のシェキです。シェキはまた東西を結ぶシルクロードの中継地としても栄えました。アゼルバイジャンには5つのキャラバン・サライ(隊商宿)が設けられましたが、シェキに作られたキャラバン・サライはコーカサス全体でも最大のものだったといわれています。18〜19世紀頃に利用されました。

キャラバン・サライのホテルで眠るアゼルバイジャンの夜 キャラバン・サライのホテルで眠るアゼルバイジャンの夜

往年のキャラバン・サライをホテルに改修

そのキャラバン・サライの施設が改修され、現在はホテルになっています。その名も「キャラバン・サライ・ホテル」。シェキの観光名所の一つになっていて、このホテルに泊まるためだけにシェキを訪れる人もいるほどです。たいていの場合、こういった歴史的建築物をホテルに改装すると、宿泊料金も高額になりますが、うれしいことにここはかなり安く、ダブルで約3200円ぐらいから。安い部屋は狭いですが、石積みが露わになった壁が往時の雰囲気を醸し出しています。

当時のざわめきが聞こえてきそうなホテルの客室

アーチ状に組まれた石積みの壁、アゼルバイジャンの絨毯が敷き詰められた石の床、ほのかな明かりに照らされたホテルの内部。昔のキャラバン・サライの時代には、ホテルの中庭で、遠い異国から持ち込まれた商品を計量したり、取り引きが行われていたのです。中国から運ばれてきた陶器、コーカサスの絨毯などが並べられたことでしょう。その中庭を囲む現在の客室は、まさに当時キャラバン隊が寝泊まりした部屋でした。石の一つ一つに300年前のざわめきが染みこんでいるようです。アゼルバイジャンも遠い異国ですが、そのホテルに泊まると、さらに遠い時間を超えた異空間に入り込んだような気持ちになることでしょう。