自宅が世界遺産になる?

自分の家が世界遺産に登録される、なんてどんな気分なのでしょう。ベルギーのブリュッセルにある建築家ヴィクトル・オルタの自宅は、現在は美術館として公開されています。19世紀後半から20世紀初頭にヨーロッパで大流行したアールヌーボーとよばれる芸術様式がありました。それを建築へと持ち込んだ第一人者とされる建築家です。建築的な価値が評価され、他の設計した3軒の家と合わせて世界遺産に登録されています。

家ごと美術館に展示してほしいアールヌーボーの家 家ごと美術館に展示してほしいアールヌーボーの家

見のがしてしまいそうな、普通の外観

オルタ邸は最寄りのトラムの駅から歩いてすぐのところにありました。外観は何の変哲もない普通の建物なので、見のがして通り過ぎてしまうところでした。ふと上を見上げると、確かにアールヌーボーらしい曲線のベランダの欄干が設置され、ここに間違いないと確認したほどです。アールヌーボーは、従来にはなかった曲線が多様され、鉄やガラス素材を利用し、モチーフには花や植物など自然のものが好まれました。家の中に入ると、その特徴をふんだんに見ることができました。

住んでみたいと思わせる、装飾的な一軒家

吹き抜けのらせん階段上の天井は、ガラス張りになり、外の光が降り注いでいました。階段の手すりは植物のつるのように滑らかで、思わず手を添えたくなりました。壁の装飾や、柱のデザイン、ステンドグラスは見とれるほどの美しさです。機能的な家というよりは装飾的で、非現実的な家ですが、これがモデルルームなら購入したいほど気に入りました。そんなお金もないので無理な話ですが。家ごと美術館に展示されていてもおかしくない、芸術的な家でした。残念なことに室内は撮影禁止なので、肉眼で堪能するしかありません。

ブリュッセルに行くなら

世界遺産登録されている他の3軒の家とは、タッセル邸、ソルヴェイ邸、ヴァン・エトヴェルド邸。オルタ邸を見たついでに訪問しようと思いましたが、一般公開されていませんでした。ソルヴェイ邸は事前に予約すると入れ、ヴァン・エトヴェルド邸は団体ツアーなどを受け入れているようですので、事前に確認していくことをお勧めします。人の家に「ちょっとお邪魔します」的な世界遺産に、あなたも足を踏み入れてみませんか。