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ベルギー王立美術館(後編)〜ブリューゲル没後450年イヤー、次男ヤンの静物画も必見


掲載日:2019/03/15 テーマ:美術館・博物館 行き先: ベルギー / ブリュッセル

タグ: 一度は見たい 素晴らしい 美術館 名画


イタリアのルネッサンス美術の波がネーデルランドへ

ヤン・ブリューゲル1世の静物画のイメージ。彼は四季折々の花々を描き「花のブリューゲル」とも呼ばれました。この作品はハーグの「マウリッツハウス美術館」で見られます。 ヤン・ブリューゲル1世の静物画のイメージ。彼は四季折々の花々を描き「花のブリューゲル」とも呼ばれました。この作品はハーグの「マウリッツハウス美術館」で見られます。

「ベルギー王立美術館(前編)〜ブリューゲル没後450年イヤーに見るべき作品はコレ!」からの続きです。西洋絵画の世界は、中世までは宗教画や肖像がメインでしたが、16世紀に入ると風景画のジャンルが生まれます。ピーテル・ブリューゲル1世は、風景のみの絵を描いた先駆者ともいわれています。16世紀、イタリアの盛期ルネッサンス美術が北ヨーロッパに伝わると、ネーデルランドの多くの画家はローマに留学します。ブリューゲルも26歳頃から約2年間ローマで古典美術を学びますが、帰国後はイタリア的な人間中心の作品は描きませんでした。低地のネーデルランドで育ったブリューゲルにとって、イタリア旅行の道中で目にしたアルプスの山々や渓谷の景色は何より感動的だったのです。その感動を元に大風景画シリーズを手掛け、絶大なる人気を博します。

イタリア旅行後の影響が伺える『ベツレヘムの人口調査』

『ベツレヘムの人口調査』の一部。ローマ皇帝より「全世界の人口を調査せよ」と勅令が下され人々は登録するために自分の町に戻ることになり、イエスの養父ヨセフが身重のマリアをつれてベツレヘムに向かった、という新約聖書の物語が基になっています。 『ベツレヘムの人口調査』の一部。ローマ皇帝より「全世界の人口を調査せよ」と勅令が下され人々は登録するために自分の町に戻ることになり、イエスの養父ヨセフが身重のマリアをつれてベツレヘムに向かった、という新約聖書の物語が基になっています。

ピーテル・ブリューゲル1世の作品で、イタリア旅行の影響が見られるのが『ベツレヘムの人口調査』です。町を山から見下ろすという手法で、真冬の農村の日常が描かれており、人間もひとりをクローズアップせずに集合体として民衆の個性を映し出しています。そして有名な『鳥罠のある冬景色』。真冬に人々がスケート滑りをする風景が描かれていますが、これは罠にかかる鳥と同様、人間も目の前の危険に気付かないもの、また危ういスケート滑りを人生となぞらえて人の命の不確かさがテーマとのこと。しかし、この当時からスケートが流行っていたとは驚きですよね。スケートは農村の唯一の冬の楽しみだったそうで、細部をよく見てみると、なんとカーリングをして遊ぶ様子も! 当時の暮らしぶりがリアルにわかります。

ブリューゲルの息子や孫たちの作品と比較できます

長男ピーテル2世が生涯で最も多く模写した作品が『鳥罠のある冬景色』。 長男ピーテル2世が生涯で最も多く模写した作品が『鳥罠のある冬景色』。

ピーテル・ブリューゲル1世の画家としての才能は、息子のピーテル・ブリューゲル2世とヤン・ブリューゲル1世、孫、ひ孫にまで受け継がれ、約150年にわたってブリューゲル様式というスタイルが確立します。ブリューゲルの長男ピーテル2世の模写の作品も、古典部門の部屋で多く鑑賞できます。たとえば前段で紹介した『ベツレヘムの人口調査』。よく見ると、父のオリジナルに比べて色が全体的に茶色っぽくなっています。これは、父が亡くなった後は所得も減り、質の良い絵の具が買えなかったからだとも言われています。しかし、ピーテル2世は生涯を通じて、父の作品を大量に模倣し続け、ブリューゲルという名を世に広めます。なぜなら、父ピーテル1世の絵は16世紀終わり頃から人気が高まり、17世紀になると王侯貴族や豪商、中産階級の人々までがコレクションするようになっていたからです。

次男ヤン・ブリューゲル1世は花の静物画でブレイク

ベルギー王立美術館で見られるヤン・ブリューゲル1世の静物画『花輪のある静物 Stilleven met Bloemenkrans en Schaal』の一部。 ベルギー王立美術館で見られるヤン・ブリューゲル1世の静物画『花輪のある静物 Stilleven met Bloemenkrans en Schaal』の一部。

一方、次男のヤン・ブリューゲル1世は、風景画や花の静物画で独自の作風を確立していきます。ブリューゲルというと、筆者にとっては『バベルの塔』や『農民の踊り』のイメージが強かったので、ヤン1世の鮮やかな花の絵を見た時は衝撃でした。17世紀半ば、ヨーロッパに新大陸や東方から花の新種が持ち込まれますが、とくにチューリップは珍重され、チューリップを扱う絵は大人気となります。それらの美しい花の絵も古典部門で見ることができます。このほか、ベルギー王立美術館ではブリューゲル没後450年を記念して、ブリューゲルのヴァーチャルエキジビジョンも展示されています。今年は、ぜひともベルギーでブリューゲル一族の深い魅力に触れてみませんか?
●ベルギー王立美術館 www.fine-arts-museum.be
●取材協力:ベルギー・フランダース政府観光局
       www.hollandflanders.jp

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2019/03/15)

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※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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