ドブロブニクからもサラエボからも日帰りできるモスタル

今回は、アドリア海の世界遺産都市ドブロブニクから、日帰りでも行ける人気の観光地モスタルを紹介します。モスタルがあるのは隣国ボスニア・ヘルツェゴビナ。そのため、クロアチアのドブロブニクから行く場合は、途中で国境を越えるので、パスポートが必携です。ドブロブニクからのバスは、1日5便程度で所要約3時間。ボスニアの首都サラエボからは1時間に1便程度あり、所要2時間半程度。鉄道もありますが、本数が少ないのでバスが便利でしょう。「日帰りでも行ける」と書きましたが、それはツアーの場合で、個人で行くならモスタルで1泊したほうが楽です。それに宿泊代もドブロブニクより、ぐっと安くなります。

渓谷の中を流れる川にかかるオスマン時代の橋、スタリ・モスト 渓谷の中を流れる川にかかるオスマン時代の橋、スタリ・モスト

オスマン帝国時代に建てられた橋「スタリ・モスト」

さて、このモスタルですが、何が有名なのでしょう。渓谷を流れるネトレヴァ川の東西に沿ってあるこの町は、ヘルツェゴビナの中心都市です。そもそも国名のボスニア・ヘルツェゴビナは、北部のボスニア地方と南部のヘルツェゴビナからなる国という意味。オスマン帝国時代の15世紀の中頃にこの地方には、ヘルツェゴビナ県が置かれていました。その中心の町がこのモスタルで、その名前はネトレヴァ川に架かる石橋の「スタリ・モスト(スラブ語で「古い橋」の意味)」から来ています。この橋は、オスマン帝国時代の1567年に完成し、その美しい姿は町のシンボルとして愛されてきました。しかし、ボスニア紛争時の1993年に砲撃によって破壊されてしまいます。

内戦で破壊。そして復興…

ボスニアの内戦時、当初モスタルはクロアチア人とセルビア人の対立の場となり、1992年には19世紀のセルビア正教会などが破壊されました。その後、クロアチア人はボスニア・ヘルツェゴビナから分離独立しようとし、今度は川を挟んでボスニア・ヘルツェゴビナ側と対峙します。そして1993年11月9日に、クロアチア人勢力により、このスタリ・モストは爆破されます。これは世界中の非難を呼びました。内戦終結後、欧米諸国により町と橋の復興が始まり、2004年に橋は再建。再建費用は1200万ユーロ(約17億円)。同じく修復された旧市街と共に、2005年にはユネスコの世界遺産に登録されました。(その2につづく)