ボスニア・ヘルツェゴビナの世界遺産

現在、ボスニア・ヘルツェゴビナの世界遺産はふたつあります。すなわち「モスタル旧市街の古橋地区」と「ヴィシェグラードのソコルル・メフメト・パシャ橋」です。両方とも橋が世界遺産になっています。そのうち、今回は「ヴィシェグラードのソコルル・メフメト・パシャ橋」をご紹介しましょう。ボスニア・ヘルツェゴビナが誇る作家イヴォ・アンドリッチは、1961年にノーベル文学賞を受賞してます。アンドリッチの代表作『ドリナの橋』のモデルの橋こそが、「ヴィシェグラードのソコルル・メフメト・パシャ橋」です。もうひとつの世界遺産があるモスタルのほうは、クロアチアの観光地ドブロブニクから近いという立地から、たくさんの観光客が押し寄せていますが、ヴィシェグラードはそれほどでもありません。

ノーベル賞作家の代表作のモデルになった世界遺産の橋 ノーベル賞作家の代表作のモデルになった世界遺産の橋

美しき青きドリナ川にかかる橋

ヴィシェグラードへは、ボスニア・ヘルツェゴビナの首都、サラエヴォからバスで行くことができますが、サラエヴォのバスターミナルはふたつあり、スルプスカ共和国側にあるバスターミナルから出発しますので、注意してくださね。また、まず英語は通じませんので、行先を書いたメモを用意しておきましょう。ヴィシェグラードが近くなると、バスはドリナ川沿いを走ります。とても綺麗な風景です。ソコルル・メフメト・パシャ橋は、16世紀後半に建造されました。時は、オスマン帝国時代。残念ながら、当時の橋は世界大戦のときに破壊されてしまったので、今の橋は再建されたものです。ですが、オスマン帝国時代の面影はしっかり残っています。

歴史を見続けたソコルル・メフメト・パシャ橋

アンドリッチの『ドリナの橋』は、ソコルル・メフメト・パシャ橋が見続けた歴史を綴っています。そして、この小説が出版されたずっとあとのことですが、ユーゴスラビア内戦中の1992年にヴィシェグラードの虐殺事件がありました。とても悲惨な出来事で、今も時折、橋の近くから犠牲者のご遺体が発見されることがあるそうです。現在は、もちろん平和で、美しいドリナ川にかかる世界遺産の橋です。ソコルル・メフメト・パシャ橋へは、『ドリナの橋』を読んでから行くと、感激もひとしおですよ。