使われていたトンネルの中へ

「サラエボのトンネル博物館」その2からの続きです。「博物館」といっても、民家の中を改装したものなので数部屋程度の小さなもの。展示されているのは、さきほど観たドキュメンタリー映像に出てきたような武器や軍服、トンネル堀りの道具、トロッコ、当時の新聞記事や写真などで、先ほど映像を観たばかりなので、生々しい臨場感があります。そのあと、いよいよ地下のトンネルに入ります。かつては全長800メートルあったトンネルですが、ほとんどが埋め戻され、今はそのうち25メートル分が公開されています。トンネルの中は木材で枠が造られ、足元には物資を運ぶためのレールが引かれており、鉱山の坑道を思わせました。高さは1.6メートル、横1メートル。大人の男性なら、ややかがんで歩くことになるでしょう。

トンネルの中。身を屈めないと歩けない。 トンネルの中。身を屈めないと歩けない。

重い歴史の一コマを受け止める

入る前に観た映像がフィルムではなくビデオだったこともあり、内戦がなんだかつい最近に起きたできごとのように感じます。トンネルからみんな出てきましたが、誰もが重苦しい雰囲気を感じていたことでしょう。民家の壁には、打ち込まれた銃弾の穴が数多く空いていました。赤いペンキは、ここで亡くなった人がいる印です。1996年の終結宣言まで、亡くなったサラエボ包囲で亡くなった人は1万2000人。うち85%は兵士ではない市民でした。帰りはまたツアーの車で旧市街へ。メインストリートの「スナイパー通り」にある古いビルに空いた銃弾や砲撃の跡が生々しく迫ってきました。遠い問題として、当時はピンと来なかったこの内戦ですが、こうして現物を目にすると、確実に“ここで起きた”とリアルに感じました。

時間があれば、公共交通機関でも行ける

ちなみに公共交通機関を使って行く場合は、旧市街からなら西へ向かう3番トラムの終点まで行き、そのすぐ脇のバスターミナルから出る32番バスに乗り換え、また終点まで。バスを降りたら小さい橋を渡り、住宅街をまっすぐ600メートルほど歩いた所です。いちおう標識がありますが、わからなければ近くの人に聞いてみましょう。