ドブロブニークから隣国の世界遺産の町へ

“アドリア海の真珠”と謳われるドブロブニーク。城壁に囲まれた旧市街のオレンジ色の屋根と、アドリア海の紺碧の海の鮮やかなコントラストが、世界中から訪れる人を魅了します。ドブロブニークでの時間がたっぷり取れるなら、欲張って近隣の国にショートトリップに出かけてみてはいかがでしょう。ドブロブニークからの日帰りツアーが催行されているので、気軽に国境を越えて世界遺産の美しい町を訪ねることができます。もちろん、公共の国際バスも運行されているので、日程に余裕のある人は自力で行くことも可能です。

ドブロブニークからのおすすめショートトリップ その1「コトル」 ドブロブニークからのおすすめショートトリップ その1「コトル」

ヨーロッパ最南端のフィヨルド

今回は、ドブロブニークから南へ60km、クロアチアとモンテネグロの国境を越えてすぐのところにある世界遺産の小さな町「コトル」をご紹介しましょう。モンテネグロ西部のアドリア海沿岸地域はボカ・コトルスカと呼ばれる、ヨーロッパ最南端のフィヨルドです。複雑に入り組んだ湾のひとつ、コトル湾の奥に位置するコトルは、2000m級の急峻な山がコトル湾に落ち込む、フィヨルド特有の地形にあります。フィヨルドというとノルウェーやニュージーランドなど緯度の高いところにあるものというイメージがあるので、なんだか意外な感じがしますね。

中世の雰囲気が色濃く残る城塞都市

中世の港湾都市だった町が点在しているコトル湾のもっとも奥にあるコトルは、複雑な海岸線と険しい山々に守られ、堅固な城壁に囲まれた城塞都市です。様々な国に支配されつつも自治を守って繁栄してきたコトルの旧市街には、石畳の路地に12世紀から14世紀に建てられた建物が並び、ドブロブニークとはまた異なった中世の雰囲気が漂います。特に早朝や日が暮れてから人けのない路地を歩いていると、現代からタイムスリップしたかのような気分になってきます。12世紀に建てられたセルビア正教会「聖ルカ教会」は、イコノスタシス(聖所を区切るイコンで覆われた壁)が美しく、カトリックの教会とは異なる静謐な空気が流れています。

砦からの絶景に酔う

旧市街を囲む城壁は背後の山まで伸び、その長さは4.5kmに及びます。ドブロブニークからの日帰りツアーだと時間がないと思いますが、個人で訪れて一泊できるなら、是非裏山の頂上の砦まで登ってください。九十九折の道を登っていくと、麓の旧市街とコトル湾、そして対岸の山までが展望できます。なかなかハードな道をがんばって登り終えれば、砦からは遠くコトル湾の出口のほうまで望め、まさに文句なしの絶景のご褒美が待っています。夕方登り始めれば、頂上の砦から向かいの山に沈むサンセットが楽しめるでしょう。