アドリア海沿いの歴史ある町スプリット

クロアチアの人気都市と言えば、世界遺産に登録されているドブロブニクが知られています。実は、さらに北にあるスプリットもなかなか素敵な港町であることをご存知ですか。こちらはビーチだけでなく、歴史色の濃い観光も楽しめる町です。最大の魅力は、ローマ時代の宮殿跡がそのまま旧市街となり、そこが現在も町の中心になっていることでしょう。宮殿跡の外では青空市場が開かれ、付近にはレストランが並び、フェリーターミナルからも近いと、この近くのホテルに滞在するのが便利でおすすめです。

歴史ある宮殿の中に現在が混在する町、スプリット(前編) 歴史ある宮殿の中に現在が混在する町、スプリット(前編)

世界遺産の旧市街、ディオクレティアヌスの宮殿

この宮殿は、紀元345年にローマ皇帝ディオクレティアヌスが帝位を退いた後の隠居用に建てたものです。20mの高さを持つ城壁に囲まれた宮殿を中心に、スプリットの町が栄えたのが分かります。ところが皇帝が亡くなると、徐々に宮殿としての認識は寂れていき、中世では倉庫として使われることもありました。面白いのは、敷地内には大聖堂もあり、ロマネスク式の鐘楼も建てられていること。キリスト教を大迫害したディオクレティアヌス皇帝の霊廟が、後にキリスト教会として使われたのは、なんとも皮肉な歴史です。

何と、宮殿がごみ置き場になった時代

この宮殿の地下を見学することが可能です。大きな柱で支えられた地下の空間には、本来の家主であった皇帝の胸像が置かれていたり、古い井戸の跡が見られました。驚いたことに、この地下はごみ置き場としてごみで溢れかえったいた時代もあったので、その展示もされていました。そして、地下への入口前の通路に並ぶ土産物屋が注目です。スプリットの一般的な土産ではなく、宮殿やローマ史に関わるような歴史グッズが豊富なので、ついつい見入ってしまいました。そこから外へ進んで行くと、支柱が並ぶ玄関前のペリスティル広場へ出ました。

この眺望を見逃して帰ってはいけない

広場の脇には、エジプトから運んできたスフィンクスの像が置かれ、皇帝の時代の雰囲気を残しています。ヴェスティブル(前庭)へ進むと、クラバを聞くことができました。「クラバ」とは男性アカペラコーラスのことで、宮殿見学の名物となっています。また、天気のいい日は、ぜひ鐘楼へ上がりましょう。暑い日に階段で上まで行くと、さすがに一汗かきましたが、スプリットの町とアドリア海が一望できる美しい眺望が待っていました。登る価値は十分にありますよ。(後編につづく)