最初に見えるのは、キリスト教会跡

スプリット郊外にあるローマ遺跡、サロナの後編です。さて遺跡の敷地内に入り、坂を下っていくと、左側に見える最初の遺跡が「初期キリスト教教会」跡です。キリスト教が認められた4〜5世紀のものですが、ほぼ土台の石組み部分しか残っていません。ローマ神殿などを壊して転用したものでしょうか。ここを過ぎると、目の前に「考古学博物館記念堂」の建物がありますが、とくに見るべきものはありません。ただし脇の小さな庭園にはイスなどが置いてあり、遺跡内で唯一の休憩場所です。

サロナ遺跡に残る「大劇場」の跡 サロナ遺跡に残る「大劇場」の跡

サロナ遺跡の中心部に出る

さらに坂を降りていくと、広々とした場所に点在する遺跡群が見えてきます。ここが遺跡の中心部分で、公共施設が集まっていたエリアでした。わかる形で残っているのが、教会や洗礼堂の跡が残る「初期キリスト教会複合施設」、そしてローマ市民にとってなくてはならない「大浴場」、かつて流れていた川に架かる橋を支えるアーチの跡です。とはいえ、残っているものの多くは土台部分だけで、往時を偲ぶのはなかなか難しいかもしれません。そばには町への入口だった「カエサル門」の跡が残っています。遺跡の周囲はすぐそばまで果樹園が迫っています。ここでもと来た入口へ戻ってもいいのですが、せっかくなので西へ10分ほど歩いた所にぽつんとある、「大劇場」まで行ってみましょう。

サロナ遺跡で一番大きな建物の大劇場

未舗装道路をとぼとぼ歩いて行くと、かつては1万7000人を収容したという大劇場の跡に出ます。座席部分は残ってはおらず、今見られるのは観客を支えていた部分の名残だけです。ここは剣闘士の試合も行われましたが、ディオクレティアヌス帝による迫害で、キリスト教徒が殉教したのもこの場所でした。サロナが廃墟になると、この大劇場は建築資材を取るために少しずつ解体されていきました。

スプリットへ戻るときは別のルートで

帰りですが、大劇場からもと来た道を戻ると、登り道の上、時間もかかるので、大劇場の先からそのまま遺跡の外に出て、幹線道路のガードの下をくぐり、反対側の車線にあるバス停からスプリット行きに乗って帰るのが早いです。このバス停はトロギールからのバスが停まるところで、もし続けてトロギールへ行きたいならば、道路を渡らずに手前のバス停から乗車すればOKです。バスが来たら手を上げて、乗る意思を示すことを忘れないように。バスは30分おきで、スプリット港にある長距離バスターミナルではなく、そこから北へ1kmほど離れた近郊バスターミナルに到着します。スプリットから気軽な半日観光で、このサロナ遺跡を訪れてみてはいかがでしょうか。