ローマ時代の建物が旧市街に

ローマ時代にクロアチアのスプリットに造られた「ディオクレティアヌス宮殿」。造られた当時がどんなものだったかは、別記事の「ディオクレティアヌス宮殿はどんな姿だった?」を参照していただくとして、現在の姿はどうなのでしょう。宮殿から旧市街に変わったというこの珍しいエリアの変化と観光ポイントを、観光の道筋をたどりながら紹介していきましょう。

宮殿の中庭。右側にカフェがあり、外の石段でも座って注文できる 宮殿の中庭。右側にカフェがあり、外の石段でも座って注文できる

かつては海だった遊歩道

最初に、宮殿が建てられた紀元305年と現在では、海岸線も地面の高さも違うことを頭に入れておいてください。1700年もたてば、土砂の堆積で海岸線は後退し、建物がある地盤は沈下していきます。現在、宮殿の南側は遊歩道になっていますが、当時は南門までは海で、南門は直接、船が接岸できる場所でした。次に、南門から階段を下りていくと「宮殿の地下」と呼ばれている部分がありますが、建設当時、ここは地下ではなく宮殿の一階(もしくは半地下)でした。つまり、ほぼ一階分、建物が地盤沈下してしまったのです。なので現在の宮殿の1階部分はローマ時代の2階部分ということになります。そう考えると、現在、この宮殿内の建物が全体的に地面より下がっているように感じたのも、納得できませんか?

中庭のカフェで、古代の雰囲気に浸ろう

宮殿の中庭だった「ペリスティル」は宮殿内でも低い位置にあるように見えますが、それでも1700年たった今では、オリジナルよりも高くなっています。現在、この中庭は観光客が集うところ。いつも人でいっぱいですが、夏の日中は暑いので、夕方から夜にかけてが、くつろぐのに気持ちいい時間帯です。中庭に面してカフェがありイス席もありますが、中庭の石段に座って飲み物を飲んでくつろいでいる人もいます(なので石段のマットはカフェのお客のためのものです!)。カフェは店内も雰囲気がよく、吹き抜けの内装や上階からの眺めもいいですよ。ちなみにカフェの名前は「ルクソール」。ディオクレティアヌス帝がエジプトから持ち帰ったという、中庭にあるスフィンクスから来た名前でしょうね。中庭の北側には観光案内所と銀行もあります。(その2につづく)