観光の目玉の大聖堂に入ってみましょう

ディオクレティアヌス宮殿の観光案内、その1からの続きです。中庭の東には、24本の列柱に囲まれた八角形の建物があります。これがスプリットの「大聖堂」ですが、教会はふつうは十字形をしているので、この形は珍しいですよね。この建物はもともとディオクレティアヌス帝の墓を収める廟として建てられたものでした。中に入ると、8本の柱が円形に並び、その上にさらにある8本の小さな円柱が円形ドームを支えているのが見えます。かつて中央にはディオクレティアヌスの棺がありましたが、後にキリスト教徒により破壊されてしまい、今はありません。キリスト教徒にとっては、ディオクレティアヌス帝は「最後の大迫害」をした“悪の”皇帝だからです。建物の中は小さいですが、中世に施された貴重な彫刻がところ狭しと飾られています。

大聖堂の内部。かつでのディオクレティアヌス廟の名残りはほとんどない 大聖堂の内部。かつでのディオクレティアヌス廟の名残りはほとんどない

皇帝の代わりに殉教者の聖人が

大聖堂の南東の窪みにあるのが、その「最後の大迫害」で殉教した、サロナの司教聖ドムニウスの祭壇(棺)。北東の窪みにあるのも、やはり同じ迫害で殉教したサロナの聖アナスタシウスの祭壇です。両祭壇の彫刻は15世紀のもの。ディオクレティアヌスの遺体がどうなったかは、誰も知るものはいません。ディオクレティアヌス帝は、まさか自分の棺が破壊され、その建物に自分が迫害したキリスト教徒の司祭が葬られるとは、夢にも思っていなかったでしょう。奥の八角形の建物からはみ出た部分(主祭壇)は、17世紀になって拡張された部分です。

スプリットの旧市街が一望できる鐘楼

大聖堂に入るのは無料ですが、宝物室は有料(15クーナ、約270円)です。大聖堂に付属する施設としては、みなさんが入りたいのはスプリットのランドマークともいえる鐘楼でしょう(15クーナ、約270円)。高さ60メートルの鐘楼は、13世紀から16世紀にかけて建てられたもの。中の階段を上って上まで行けますが、隙間から下が見えてしまい、けっこうこの階段が恐い(笑) 高所恐怖症の人はきっと登れないでしょうね。ただし、上からは市街や港がよく見渡せ、いい景色が堪能できますよ。(その3につづく)