- 有賀みかる
- 2005年よりチェコ・プラハ在住。安くて美味しいビールを前に日本酒党返上…でも時々恋しくなる。複雑怪奇なチェコ語文法と格闘しつつ、中欧の小国チェコの歴史の面白さ、美しい街並み、素晴らしい建築物に浸かる日々。
出発エリアをに変更しました。
ジョッキの大きさは普通サイズ=500ml、小=300ml。銘柄のところに書かれてる12%、10%といった数字はアルコール度数ではなく、麦汁濃度のこと。高いほうが濃厚な味で値段も高い
駅前のカフェや地元のレストラン・居酒屋を朝のぞくと、びっくりする光景が見られます。そう、コーヒーのごとく、朝からビールを飲んでるチェコのおじさんたち! チェコでビールは“飲むパン”と言われるほど、日常生活に浸透しています。さすが一人当たりの年間ビール消費量世界一の国。種類もたくさんあって、どれもとても美味しいので飲み比べるのが楽しいのですが、なんといっても人気はラガーのひとつであるピルスナーウルケルという銘柄。プラハから南西100キロの街、プルゼニュ発祥の、透き通った黄金色のビールです。
通りの前にはテラス席、建物の裏にある雪の聖母教会との間には雰囲気ある中庭、屋内も落ち着けるインテリア。地下はゴシックのセラーのような造り
なめらかな泡、キリリとした喉越しだけど水のように飲みやすく、そしてホップの上品な苦味と後味のまろやかさ……。チェコに来て、このビールを飲まずに帰ることなかれ。やみつきになる美味しさなのに、な、なんとジョッキ300円もしないところがほとんど。1842年にプルゼニュで誕生したピルスナーウルケルは翌年、早くもプラハへ。ヴァーツラフ広場からすぐのここ、ウ・ピンカスーはプラハで初めてこの黄金のビールを人々に注いでから実に150年以上たった今も変わらず、おいしいピルスナーが飲めるおすすめの居酒屋です。
これは豚のkoleno(膝)を焼いたもの。皮のところは特にパリパリでおいしい。骨付きを豪快にどうぞ!
おいしいビールだけでなく、日本にないおつまみやチェコの伝統料理もおいしいので、観光地に近い場所ながら、地元民も多いのが特徴。作家のフラバルはじめ、チェコの文化人たちにも愛されてきたお店です。トライプ・スープ(豚の胃袋の煮込み)は寒いとき体をあっためるのにはもってこいだし、ヴィネガーと玉葱をたっぷりのせたトラチェンカ(豚の煮凝り)はお気に入りのおつまみメニュー。チェコ料理の一皿はグヤーシュもいいけれど、スヴィチコヴァー・ナ・スメタニェは名物クネドリーキが添えられたチェコならではの一皿。
レストランのすぐ隣にある、E.クラリーチェック作のキュビズムの街灯も要チェック
プラハに居酒屋はわんさかあれど、おいしいピルスナーを飲ませる店はそこから絞られます。席数が多くて予約なしでも比較的はいりやすい、英語メニューあり、店内もテラスも雰囲気があって、さらにヴァーツラフ広場から国民劇場方面へほんの少しいっただけという抜群の立地にもかかわらず、ビールはジョッキ38コルナ(約230円!)、おいしいチェコ料理も高くないとあっては、旅行者の方にも一押し。接待におすすめしたことも(笑)。プライヴェートでもお気に入りなのは、隣にキュビズムの美しい街灯がひっそりたたずんでいるから。
ランチタイム(11:30〜14:30)は、スープとメイン(2種類から選べる)で89コルナ(約550円)の日替わりメニューも
■ウ・ピンカスー(U Pinkasu)
住所:Jungmannovo namesti 16, 110 00, Praha 1
電話:420ー221-111-150
営業時間:10:00〜25:00(フロアによって違う)年中無休
URL:http://www.upinkasu.cz
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/09/21)
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