オーストリアの作曲家、モーツァルトの映画

映画監督ミロシュ・フォアマンの代表作といえば『アマデウス』です。オーストリアの有名な作曲家、モーツァルトをテーマにした大作で、今も人気がある映画として、世界的によく知られています。この映画の舞台はウィーン。ウィーンでモーツァルトが亡くなる直前まで活躍していた様子が生き生きと描かれています。当然、ロケはウィーンで行われたのかと思いきや、そうではないのです。ウィーンは世界大戦があったこともあり、モーツァルトが生きていた時代の街並みと、今の街並みがずいぶん異なっているので、ここでロケをすることは、泣く泣く諦めたのだとか。

映画『アマデウス』は、どこで撮影された? 映画『アマデウス』は、どこで撮影された?

プラハでモーツァルトが大活躍!

それでは、どこで『アマデウス』のロケは行われたのでしょうか? それは、チェコのプラハです。プラハは、幸いにも戦争の被害をほとんど受けておらず、かつその昔は、オーストリア ハプスブルク帝国の支配下にありましたので、モーツァルトの時代のウィーンの雰囲気が残っているのです。そして、モーツァルトが自作のオペラを指揮するシーンは、エステート劇場で撮影されています。実はモーツァルトは、この劇場でオペラ「ドン・ジョバンニ」の初演を自ら指揮しています。ですので、あながちロケ先と史実がかけ離れているというわけではありません。見事なロケ先選びだと思います。

フォアマン監督は、チェコの出身です

また『アマデウス』のロケ先がプラハだったことには、もうひとつ劇的な意味がありました。フォアマン監督は、チェコの出身なのです。まだチェコが社会主義国家だったころ、たくさんの亡命者がでました。フォアマン監督もそのひとりで、チェコからアメリカに亡命し、アメリカの市民権を得ています。そして『アマデウス』のロケのとき、亡命後はじめて祖国の土を踏んだのだとか。『アマデウス』が素晴らしいのは、フォアマン監督の祖国への愛情が込められているためなのでは、と思います。『アマデウス』を観てから、プラハに行くと、あちこちに映画に出てきた風景に出会えます。