- すまーふはなこ
- 主人の仕事の都合で、カナダ、マレーシアに次ぎ、現在エジプト在住。3人息子の母。漫画を描くのが趣味で、マレーシアの日本人向け情報誌に4コマ漫画を連載中。エジプト生活の漫画ブログも更新しています。
出発エリアをに変更しました。
半分が土に埋もれたままの、巨大なクジラの化石です。以前は陸に上がっていたことの証拠を示す、隠れた小さな足が見つかっています
カイロから南南西へ150kmの西方砂漠にあるワディ・イル・ヒタン。自然保護区のワディ・エル・ラヤン内の南西に位置しています。2005年7月に世界遺産の、エジプト初の自然遺産に登録されてから注目を集め、人気のスポットとなっています。ワディ・イル・ヒタンは、日本語で言うと、「クジラの谷」という意味です。この谷で、400以上ものクジラの化石が見つかったのです。ピラミッドや遺跡は4〜5000年前ですが、こちらはなんと“4000万年前”のものです!! エジプトというと遺跡のイメージですが、貴重な化石の発見も数多くされています。
バシロサウルスの背骨です!1つの骨を両手で持っても持ち上がらなそうなくらい大きいです
化石は主に、「バシロサウルス」という名のクジラで、これは「トカゲの王」を意味しています。発見当初、この化石は恐竜の一種と思われていましたが、その後の研究でクジラの祖先にあたるものであることが判明しました。体長18〜20mの全身骨格が残っているものも多く、実際に見ると、その大きさを実感することができます。これらは大変貴重な化石なので、日本だったらすぐに博物館に移され、ケースに飾られて保管されるところが、ここでは青空の下、全てが発見された場所にそのままの形で置かれています! そのため、当時の生き生きとした、その様子を感じるとることができます。
マングローブの化石です!石の文字で説明されてます…
もともとは海底であった、この場所。クジラ以外にも、マングローブの化石がそのままの形で見られ、また大きなカメの甲羅があったり、クジラの赤ちゃんもいたりとあちらこちらに、たくさんの化石が置かれています。主な化石はロープで囲われていますが、その他にも、たくさんの魚、貝、サメ、カメの化石が見つかっており、そのまま残されているものも多数あります。実際、地面にごろごろ化石が転がっています。保護区なので、持ち帰りはもちろん禁止ですが、このあたりが当時、海底であったことを容易に想像することができます。
一種独特な雰囲気を醸し出していて、不思議感あふれる情景です
見るべきものは、化石だけではありません! 風景が非常に美しいのです。保護地区に入ると、日本人の想像するような砂漠の、きれいな砂丘が広がっています。さらにクジラの谷には、水の侵食によって自然に作られた、キノコのような岩や、帽子をかぶっているようなものなど、変わった形の奇岩が見られます。
ワディ・エル・ラヤンには湖や滝があり、自然を満喫するエジプト人の観光客がいっぱいです!
■ワディ・イル・ヒタン「Wadi el-Hitan」(クジラの谷)
入場料:自然保護区のワディ・エル・ラヤン「Wadi el-Rayan」への入場料 3US$ 車1台につき、5E£(約100円)(ワディ・エル・ラヤンに入る時に入場料を払います。) 年中無休 ワディ・エル・ラヤンの事務所 084−6830535
※4WDの車と運転手が必要なので、ホテルか旅行会社のツアーを申し込まないと厳しい。カイロから片道3時間くらいなので、日帰りも可能。もしくは、ファイユームかバハレイヤ・オアシスからのツアーも出ています。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2008/08/29)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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