スネフェル王の「赤いピラミッド」と「崩れピラミッド」

「知っておきたいエジプトのピラミッドの歴史」その2からの続きです。ダフシュールにあるスネフェル王の屈折ピラミッドの1.5kmほど北には、次に造られた「赤いピラミッド」があります。これは石積み方法を変更して直線のラインを持った初めての真正ピラミッドです。ただし傾斜角はまだ緩く、約43度でした。高さは105m。名前の由来は、表面の花崗岩の色が赤く見えることからです。スネフェル王が3番目に造ったのが、メイドゥームにある「崩れピラミッド」と呼ばれているものです。これは古王国時代の階段ピラミッドを利用して高さ92m、傾斜角52度のピラミッドを造ろうとしたものですが、途中(または完成後)で崩れてしまいました。

スネフェル王の「赤いピラミッド」 スネフェル王の「赤いピラミッド」

スネフェル王のピラミッドへのアクセス

これらのピラミッドへのアクセスですが、ダフシュールはサッカーラから10kmほど。サッカーラからバスでも行けますが、やはり歩くことになるので、車をチャーターするかツアーで行くのがいいでしょう。崩れピラミッドがあるメイドゥームへは、ワスタの町まで行き、そこから車をチャーターして行くことになります。

今までの試行錯誤が形を結んだクフ王のピラミッド

スネフェル王のこうした建築実験は、次の代に見事に結実します。それがクフ王による大ピラミッドです。ギザに建てられたこのピラミッドは高さ146.5m(現在は頂上部がないので137m)、一辺約230m、傾斜角は51.5度で、ようやく完全なる形のピラミッドが完成したのです。完成当時、表面は白い大理石の化粧岩で覆われており、ピラミッド全体が太陽の光を受け光り輝いていたことでしょう。その隣にあるのがカフラー王のピラミッドです。カフラー王はクフ王の次の次の王です。3つのピラミッドの真ん中にあり、高さは143mとクフ王のものより少し低いですが、クフ王のピラミッドの上部が現在はなくなっているので実質一番高いピラミッドです。こちらは表面を覆っていた化粧岩が上部と下部の一部に残っています。

ギザにあるクフ王のピラミッド。ふもとのバスをと比べるとその大きさがわかる ギザにあるクフ王のピラミッド。ふもとのバスをと比べるとその大きさがわかる

他の2つよりも小さなメンカウラー王のピラミッド

クフ王とカフラー王のピラミッドを結ぶ線を延ばしたところにあるのが、ずっと小さなメンカウラー王のピラミッドです。高さは65.5m(現在は62m)と他の2つに比べると半分以下です。メンカウラー王はカフラー王の子で次の次の王。このピラミッドの中には石棺があり、遺体の一部がありましたが、19世紀中頃に調査のためにイギリスへ運ぶ途中、船が沈没して海の底に沈んでしまいました。ピラミッドの大きさが小さいのは、王家の財政がこの頃にはひっ迫していたからだと言われていますが、異論もあるようです。(その4につづく)