ドイツ、ロシア、北欧の影響を受けたエストニアの食

北ヨーロッパのバルト海東沿岸に臨むエストニアの首都タリンは、13〜15世紀には中継貿易都市として栄えました。遠くはアンダルシア、アラビア半島、北欧、ロシアなど各国の商人が出入りし、彼らのふるさとの味や珍しい食材がタリンに集まりました。たとえば、チョコレートは15世紀にタリンに持ち込まれ、ヨーロッパで初めて製品化されたといいます。現在のエストニアは、こうした歴史をくむグルメの国です。かつてエストニアを支配していたロシアやドイツの料理がベースとなっており、近年はモダンスカンジナビア料理の影響も見られます。またレストランでよく出される白樺ジュースやベリージュースなどは日本人には珍しく、ハーブ類や根菜類も多く使われ、乳製品も豊かでヘルシーな印象を持ちました。

ヘルシーで、量も程よく盛られた料理は日本人好み ヘルシーで、量も程よく盛られた料理は日本人好み

黒パンはエストニア人の魂

エストニアの主食はライ麦で作った黒パンです。黒パンはエストニア人に古くから愛され続けるソウルフード。食事の前には「パン(命や幸運)がずっと続きますように」と挨拶するくらい、大切な存在です。代表料理は、ビーツスープ、グリルポテト、パプリカやタマネギなどの野菜やキノコの酢漬け、塩漬けキャベツ、ニシンやサーモンの酢漬け、豚肉の煮こごり、豚の血と麦を混ぜて作るソーセージなど。塩気のないカッテージチーズもよく出てきます。

黒パンは各家庭のレシピで焼かれる 黒パンは各家庭のレシピで焼かれる

タリンのおすすめレストランを3つ紹介しましょう

地元の人にも人気が高く、旅行者が気軽に立ち寄れるタリン旧市街のレストランといえば「レイブ・レスト・ヤ・アエド Leib Resto Ja Aed」です。店名は「黒パン」という意味。その名のとおりここの黒パンはタリンいち美味しいという評判で、黒パンだけの販売もやっていて事前予約が必要なほどです。ここでは美しい盛り付けの、モダンエストニア料理がいただけます。もうひとつは、16世紀の建物を生かしながらモダンに改装されたレストラン「クーク Kook」。こちらは、エストニア伝統料理の手づくり体験ができる貴重なお店。美しいインテリアとテーブルセッティングなどもゆっくり鑑賞してください。
●Leib Resto Ja Aed [URL]www.leibresto.ee/en

レストラン「クーク」のインテリア レストラン「クーク」のインテリア

農家レストランで素朴な料理を

最後は、タリンから東へ車で1時間ほど行ったパルムセ荘園内の農家レストラン「パルムセ・クルツ・タベルン Palmse Korts Tavern」です。農家の納屋がレストランとして開放されていて、カントリーテイストの内装も素敵です。料理は黒ビールとハチミツで煮たローストポーク、ザワークラウト、ホクホクのベイクドポテトなど。素朴ですが、旅で疲れたカラダをホッとさせてくれる心温まる料理ばかりです。タリンに行く際は、この3つのレストランにぜひ足を運んでみてくださいね。
● Palmse Korts Tavern [URL]www.palmse.ee/en/restaurant/palmse-tavern