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守り神ペコからの夢のお告げで政治の方針が決まる!?/エストニアのセト地方(前編)


先住少数民族セト人が信じる神様とは?

ソーツカのアールネさん。ペコを象ったペンダントはソーツカしか付けられないそうです ソーツカのアールネさん。ペコを象ったペンダントはソーツカしか付けられないそうです

この21世紀に、神様のお告げを政(まつりごと)に生かしている国があります。びっくりですよね? それは北ヨーロッパのバルト三国のひとつ、エストニアです。ロシア国境のセト地方メレマエ郡(Meramae)周辺には、そんなシャーマン的な古い風習が残っています。セト地方については別記事「エストニアのセト地方/美味しいごちそうスープと無形文化遺産「多声歌唱」(前・後編)」、「バルト三国エストニアのセト地方で、首都タリンからの移住希望者が増えている理由」もご覧ください。現在、セト人は自然崇拝を中心とする土着の宗教と、ロシア正教、キリスト教プロテスタントの3つが融合した独自の宗教を信仰しています。なかでも最も大切にされているのが、セトの守り神でもある収穫と豊饒の神様「ペコ(Peko)」です。

ペコ神とコミュニケーションできる「ソーツカ」に遭遇!

独特な形をしたルハマーの教会 独特な形をしたルハマーの教会

セト地方には、このペコの神様と交信ができる「ソーツカ Sootska」と呼ばれる人がいます。いわゆるペコ神のスポークスマン、つまり神様の想いを住民に伝える代弁者です。日本でいう霊媒などとは違い、神様が体に降臨して会話するのではなく、なんと、夢で啓示を受けるのだそうです。筆者は、2017年6月のペンテコステ祭(聖霊降臨祭)で、現在のソーツカであるアールネさんに偶然にもお会いし、話を聞くことができました。そこは、セト地方南部のルハマー Luhamaa という町の教会でした。

農家の穀物倉庫に鎮座するペコ神

ヴァルスカの農家博物館入口 ヴァルスカの農家博物館入口

ちなみに、ペコ神の木像は高さは全長1メートルほど。木の球体を3つ重ねたような、寸胴でユーモラスな形をしています。秋の収穫祭には毎年このペコ神を置く家が選ばれて、ペコの像は農家の穀物倉庫の前に置かれます。つまりペコ神は、毎年各家庭を順に回っていくことになります。ヴァルスカ Varskaの「セト農家博物館 Seto Farm Museum」に行けば、黒いペコ神を見ることができます。

「ソーツカ」の選び方がとってもユニーク

ソーツカは、地元では村長よりも上のポジションと考えられているようで、年に一度、「セト王国」と呼ばれる祭りの中で選ばれます。その選び方がまた独特なのです。元ソーツカが推薦する人や、ソーツカになれそうなオーラを持つ候補者たちが集まって、まずは一緒に合唱します。住民は、各候補たちの歌を聴いてからその人となりを判断し、自分が気に入った候補者の後ろに並びます。並ぶ(支持者の)人数が一番多い候補者が、その年のソーツカになるというわけです。多いときには700人もの行列ができるそうです。現役のソーツカは「ウレムソーツカ」と呼ばれます。このソーツカ制度が始まったのは今から23年前の1994年。昔は、ペコ神と交信できるソーツカに対して「作り話では?」と疑う住民もいたとか。しかし、ひとつだったセト地方がエストニアとロシアに分断されてから、逆に民族の意識が高まり、皆が信じるようになったということです。では、ソーツカが日頃どんな活動をしていて、どのようなお告げを受け取ったのでしょうか? それは後編に続きます。

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2017/11/20)

※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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