- 岩佐 史絵
- 東京都在住のトラベルライター。雑誌、旅行業界誌、新聞、ウェブなどさまざまな媒体に新しい旅スタイルを提案。充実した時間を過ごすことができるのが”ラグジュアリー”だと考えています。旅をしたおかげでQOL(人生の質)が上がった!そんなふうに思えるような、心に潤いを添える旅のアイデアをお届けします。
出発エリアをに変更しました。
かなり充実のムーミン博物館があるタンペレ。ムーミン好きならぜひ訪れて。※館内は取材用に特別な許可を得て撮影しています。
かつてはどの家にもマイサウナがあったというフィンランド。現代においては住環境が変わってきたため各家庭に、とはいかないものの、フィンランド人にとってサウナは家族や友人と楽しむコミュニケーションの場としてとても重要な存在です。実際のところ、新しい公共サウナが次々とオープンしていて、大変な人気を博しています。近年ではただのサウナではなく、レストランやカフェなどさまざまな機能をもち、社交場としての役割があるのが特徴的。今回訪れたのはムーミンゆかりの地、タンペレのサウナです。
ランチからディナー、カクテルタイムまで、さまざまなシーンで利用可能なのもうれしいところ。カフェエリアのみの利用もOK
ヘルシンキから電車やバスで約2時間で行けるタンペレ。ヘルシンキから日帰りでも行ける旅先としても知られていますが、ムーミン博物館や郊外へのハイキングなどなかなかアクティビティ豊富なので、もう少し時間を割いて滞在するのがおすすめ。1日を終えたらもちろんサウナへGO! です。
タンペレで今注目されているのは、ヘルシンキのおしゃれサウナ『ロウリュ』と同じオーナーによる『クーマ(KUUMA』。もともと公共サウナは日本の銭湯のような感覚。地元の人々の社交の場でもありますが、ロウリュといい、このクーマといい、とにかくおしゃれ!なのが大きな魅力です。
都会では家庭にサウナがあっても薪で温められる環境はなかなか……という地元の人々にも大人気
入ってみると、そこここに素敵なインテリアのように薪が積み上げられています。伝統的なサウナらしくちゃんと薪で加熱しているからで、このほうが保温効果が高いのだそう。フィンランド人にとっては「そこ重要」というポイントでもあるので、このサウナが人気なのにも納得。ただおしゃれだから、というわけでもないのです。
撮影時は1月。凍ってるやん……と筆者はおじけづいたものの、フィンランド人はふつうに笑いながら入っていた
特に伝統的なスタイルを維持している公共サウナでは男女の別がないことが多く、ここでも更衣室から先は男女混合。ドライサウナとスモークサウナを行き来します。暑くなりすぎたら、外へ出てプールにドボン!これ、真冬でもふつうに屋外プールなのですが、このプールは実は川を区切っただけのもの。つまり、温度のコントロールなどはない、まさに自然の氷水です。氷が張っていればわざわざ割って入るのもフィンランドでは当たり前。本当に冷たい水なので、しっかり暖まってから入りましょう。
フィンランドの食材を用いた料理は、伝統料理というよりもフュージョンといった感じ。季節ごとに通いたい
サウナの後には、ゆっくりとお食事タイムを。併設のレストランのテーマは「ノルディックフード」、つまりフィンランドならではのお料理です。その時々に手に入る食材によるので、メニューはシーズンごとにかわります。フィンランドに初のミシュラン星をもたらしたことで知られるEero Makela氏によるメニュー構成で、ファインダイニングといっても過言ではありません。ランチもありますから、午前中からゆったりじっくり遊ぶのもいいでしょう。タンペレを訪れたなら、必ず立ち寄りたいスポットです。
KUUMA(英語):https://saunaravintolakuuma.fi/en/
※2020年4月現在、コロナウイルス対策によりクローズしています
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2020/05/30)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
エイビーマガジンについて