歴史、美術、音楽、文学すべての魅力が詰まった古都

観光シーズンには多くの人々でにぎわう南フランスの古都アルル。フランス最大の港湾都市マルセイユや、かつて教皇庁のあった歴史の街アヴニィヨンから電車で1時間ほどで行け、旧市街地は徒歩でも散策できる、観光のしやすい町です。この町の面白さはひと言では言い表せません。旧市街地には古代ローマ時代からの遺跡群が眠り、アルフォンス・ドーデの短編小説『アルルの女』の舞台になり、その付随音楽として作られたジョルジュ・ビゼーの有名なオーケストラ曲があり、そして、この地を愛したフィンセント・ファン・ゴッホが数々の傑作絵画を生み出し、朋友のポール・ゴーギャンと共同生活を送ったという、様々な分野にまたがるエピソードを持った町なのです。実際にアルルの町を散策してみれば、きっと芸術家たちを惹きつけた魅力を実感できることでしょう。今回は、それらの要素と絡めながら、アルルの観光スポットをご紹介したいと思います。

円形闘技場から見たアルルの町並み 円形闘技場から見たアルルの町並み

観光の目玉! 世界遺産のローマ遺跡群

旧市街地にある遺跡群は「アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群」として世界遺産に登録されており、町でも主要観光スポットとして紹介されています。これらの遺跡を巡っていると、フランスというよりむしろイタリアを観光しているような気分になるかもしれません。なかでも特に人気なのは円形闘技場で、内部を見学できるだけでなく、観光シーズンにはイベントも開かれます。そしてこの円形闘技場は、ドーデの小説で主人公フレデリが「アルルの女」に出会ってしまう場所でもあります。許婚がいたフレデリはこのあとだんだんと狂気に呑まれていくのですが……。そんな情景を思い浮かべながら観光をしていると、他の都市でも見られる円形闘技場が少し違って見られるかもしれませんね。頭の中のBGMはもちろんビゼーの組曲「アルルの女」で! 闘技場の上からは町も一望できるので、撮影スポットとしてもおすすめです。

公衆浴場や古代劇場など他のローマ遺跡もおすすめ!

円形闘技場以外の世界遺産の遺跡も、規模は小さいですがおすすめです。個人的に面白かったのが「コンスタンティヌスの公衆浴場」です。残っているのはいくつかの浴場だけですが、中を見学していると実際に使われていたころの情景が思い浮びわくわくします。円形闘技場の次に規模の大きな「古代劇場」も見ごたえがあり、修復された半円状の客席には座ることもできます(実際にイベントなどで使われることもあるそうです)。涼むこともできる市庁舎の下にある地下回廊や、周囲に飲食店がひしめくフォルム(広場)など利便性のあるスポットもおすすめです。セットの周遊チケットもあるので、ぜひ思う存分回ってください! 後編では、主にゴッホや美術に関連したスポットをご紹介します(後編へ続く)。