ゴッホが描いた「アルルの黄色」のイメージ

(前編からの続き)アルル時代のゴッホの作品は黄色の使い方に特色があるとしばしば言われます。代表作の「ひまわり」はもちろんですが、「黄色い家」や「夜のカフェ」などを見ても、かなり大胆に黄色を使っていることがわかりますね。実際に、夏の晴れた日にアルルを散策していると、ゴッホが表現しようとした「黄色のイメージ」をそこはかとなく共有できるのではないかと思います。「アルルの跳ね橋」や「黄色い家」など、ゴッホがモデルとしたところの多くは残念ながら現存していませんが、残っている貴重な例が「夜のカフェテラス」で描いたお店です。前編でご紹介したローマ遺跡のフォルム(広場)の一角にあり、店の前の掲示では丁寧にも店と絵画との関係が解説され、店全体が黄色で彩られています。ゴッホ好きには必見のスポットですね。ちなみに、タイトルが似た作品「夜のカフェ」はここではありませんのでご注意ください。

ゴッホの絵画「夜のカフェテラス」のモデルとなったお店 ゴッホの絵画「夜のカフェテラス」のモデルとなったお店

ゴッホが入院した精神病院の跡地

もう1つゴッホ好きの方におすすめしたいスポットが、現在「エスパス・ヴァン・ゴッホ」という施設名で一般公開されている、ゴッホが療養生活を送っていた病院の跡地です。ゴッホは画家仲間のゴーギャンと1888年10月からアルルで共同生活を始めますが、絵画制作に対する考え方の違いなどから徐々に緊張関係ができるようになります。そして2ヶ月後の1888年末に、ゴッホが自身の耳たぶを切り落とすという事件が発生してしまいます。その直後ゴーギャンはアルルを去り、ゴッホは「アルル市立病院」に入院します。その「アルル市立病院」の跡地が「エスパス・ヴァン・ゴッホ」なのです。病院の様子は、ゴッホ自身が「アルルの病院の中庭」という作品で描いていますが、この跡地もそのイメージの通りに整備され、まるで絵画の中に入り込んだような気分になれます。ギフトショップもあるので、絵画好きでない方も、旅の思い出にぜひ訪れてみてください!

ピカソ作品を所蔵するレアチュー美術館

美術が好きでアルルを訪れた方には、歴史的な建築物で造られた「レアチュー美術館」もおすすめです。18〜19世紀にかけて活躍したアルル出身の画家ジャック・レアチューの名を冠したこの美術館は、主にレアチュー以後の近現代作品を展示しています。ゴッホやゴーギャンに関する展示物も多少ありますが、一番の見どころは、彼らと同じくこの地を愛したパブロ・ピカソの作品群です。そのほかに前衛的な現代作品なども展示されているので、ぜひたっぷりお楽しみください。ちなみに、ドーテの小説やビゼーの曲と同じく、ゴッホとピカソも「アルルの女」という作品を残しています。陽気な気候と古代遺跡が魅力の、歴史的な芸術家たちが愛した町に、みなさんも訪れてみませんか? もしかしたら素敵な出会いもあるかもしれませんよ。