ドイツの文化が色濃く残るアルザス地方

アルザス地方はフランスの北東に位置し、フランスで最も小さくかつ繁栄している地方です。ボージュ山脈とライン川にはさまれた南北に細長いこの地方は、ドイツ・スイスと国境を接し、戦争のたびにフランス領になったりドイツ領になったりを繰り返してきました。「最後の授業」というお話を覚えていますか?先生が子供たちに「フランス語の授業は今日が最後で、明日からはドイツ語の授業になります」と告げ、教会の鐘が鳴ると黒板に「フランス万歳」と書いて授業を終えたというお話でした。あの物語は、ここアルザス地方が舞台だったのです。アルザスには、今でもドイツの文化が色濃く残っています。

フランス・アルザス地方のおとぎの国のようなロマンチックな村めぐり(前編) フランス・アルザス地方のおとぎの国のようなロマンチックな村めぐり(前編)

建物の様式は「木骨造り」

歴史的・文化的にドイツの影響を強く受けたアルザス地方には、中世ドイツの家並みが残る美しい村が点在しています。アルザスの建物は「木骨造り」と呼ばれる様式で建てられているのが特徴です。ます壁の骨組みを木で造り、その間に石やレンガを入れて漆喰で固めます。木の組み方は家ごとに異なり、それぞれが趣向を凝らしていて、とても複雑な木組みが見られる立派な家も沢山あります。さらに漆喰の部分をカラフルなパステルカラーで塗っているので、村全体がとってもメルヘンチックでかわいいんです。税金対策のために1階を狭くし、2階3階と大きくしていった変わった造りの家も見られます。

「ハウルの動く城」の舞台コルマール

村巡りの拠点となるのがコルマールの町です。空路でアルザス地方に入るなら、ストラスブールか、またはスイスのバーゼルに飛んでそこからコルマールまで鉄道で向かうといいでしょう。奇跡的に度々の戦争による戦火を免れたコルマールは、古い美しい町並みが残り、映画「ハウルの動く城」の舞台になった場所としても有名です。小ベニスと呼ばれるエリアは運河沿いにかわいらしい家々が並び、ゴンドラにのんびり揺られながら、花で飾られた家々の間をクルーズすることもできます。また、町の中心部には、小さな村では見られないような大型の木骨造りの家が並んでいて、お店の凝った看板を見ながらの路地歩きが楽しめます。

ツアー利用かレンタカーで村巡り

南北に連なるヴォージュ山脈の東の裾野にはブドウ畑が広がり、約170kmに渡って、アルザスのワイン街道と呼ばれる道が続きます。かわいらしい中世ドイツの家並みを残す村々は、この街道沿いに点在しています。公共のバスは本数が少なく、各村とコルマールは結ばれていても、村と村の間のアクセスはよくありません。限られた日程でいくつかの村を訪れるなら、コルマール発の日帰りのワイン街道ツアーに参加するか、またはレンタカーでまわるのもいいでしょう。ただ、ドライバーはせっかくのアルザスワインを諦めなければならないので、ちょっとかわいそうですね。