- 岩佐 史絵
- 東京都在住のトラベルライター。雑誌、旅行業界誌、新聞、ウェブなどさまざまな媒体に新しい旅スタイルを提案。充実した時間を過ごすことができるのが”ラグジュアリー”だと考えています。旅をしたおかげでQOL(人生の質)が上がった!そんなふうに思えるような、心に潤いを添える旅のアイデアをお届けします。
出発エリアをに変更しました。
ソーヌ河とローヌ河、2本の河川が市街を横切り、古くから交通の要衝としても栄えてきた歴史がある
パリからTGVで約2時間、フランスの真ん中に位置するリヨンはフランス第二の都市で、ローマ時代から栄えてきた古都でもあります。旧市街は世界遺産にも認定されているとあって、まるで絵画のような美しさ。ルネッサンス期の面影を残した街並みはただ散策するだけでも十分なアクティビティです。また、周辺地域から集まってくるさまざまな食材を用いた独特な食文化があり、「食の都」ともいわれています。パリからも日帰りで訪れることも可能ですが、じっくりと楽しむのがおすすめです。
テット・ドール公園の”展示”は広いエリアならでは。世界中から公募され、審査を経て選出されたアーティストの作品たち。毎年顔ぶれが変わるので、リピートする人も少なくない
世界遺産や食文化と並ぶリヨンの名物といえば、毎年12月に開催される光の祭典『Fete des Lumieres』。旧市街の街全体がその会場となり、通りはイルミネーションに彩られ、市庁舎や大聖堂などはプロジェクションマッピングが投影される“作品”になります。街はずれのテット・ドール公園も会場の一部で、フランスでも指折りのシティパークという広いエリアに噴水や木々を効果的に使った演出がなされます。
作品の向こうにはライトアップされたフルヴィエールの丘。幻想的!
2019年で30周年と、意外と歴史が浅いイベント……かと思いきや、コトの起こりをたどると1852年にまでさかのぼります。
この年の9月2日、旧市街のどこからでも見えるフルヴィエールの丘の頂にマリア像を設置し、その祝祭を行う予定になっていたものの、豪雨のためイベントは12月8日に延期になってしまいました。ところが、その日も悪天候に見舞われ、イベントは中止に。しかし暗くなってくると、人々は自らろうそくを灯してマリア像を歓迎する気持ちを表現しだしたのだそう。30年ほど前に始まったリヨン市のライトアップ計画とともに復活したのがこのイベントというわけです。
ホットワインを売るお兄さんたち。冬場なので温かいものは本当にありがたい。人々がフレンドリーなのもリヨンの大きな魅力のひとつ
夕刻、暗くなってからぽつぽつと点灯が開始され、旧市街には続々と人が集まってきます。例年、フランスだけでなく世界中から400万人もの観客を動員するとあって、街はものすごいにぎわいに。食事をするなら、人気のレストランなどはあらかじめ予約をしておくのが無難です。早めの時間に予約すると、比較的予約が取りやすいのはヨーロッパならではですね。
ただ、あまりお腹いっぱいにせず、少し胃袋に余裕を残しておくのがおすすめ。街にはそこここで屋台が出ており、ちょっとしたスナックが売られています。ピザやホットドッグといった手軽なものが多いですが、ガレットなどフランスらしいものもあるので、ぜひトライしましょう。
ヨーロッパでも最大級の広さを誇るベルクール広場は全体が作品の展示会場に。2018年の作品『アヌーク』は環境汚染などへの警告をテーマにしていた
作品はあちこちに点在しているので、ぶらり街歩きを楽しむのにもってこいですが、ホテルが旧市街にない場合や、疲れてもう歩きたくない!となってしまったときの強い味方が「Lyon City Card」です。利用期間を1日から4日間から選べ、公共の交通機関の利用はもちろん、23の美術館、博物館の入場料をカバーするほか、ショッピングでの割引などさまざまな特典がついてお得です。
今年(2020年)の『Fete des Lumieres』は12月5日から8日の4日間の開催予定。滞在期間に合わせてうまく利用しましょう。
『Fete des Lumieres』公式サイト:https://www.fetedeslumieres.lyon.fr/en
ONLY LYON(リヨン観光局):https://www.onlylyon.com/en
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2020/11/09)
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