フランスのリヨンはどんなところ?

フランスと言えば、パリや南仏コート・ダ・ジュールを連想される方が多いのではないでしょうか? リヨンは、44万の人口を誇るフランス第3の都市ですが、ツアーコースの多くから若干離れていることもあり、訪れる日本人は多くありません。しかしルネッサンス期に繁栄したこの町には、当時の建物が今でも残り、観光にはおすすめの町です。旧市街には独特の雰囲気があります。なぜならリヨンは王侯貴族で栄えた町ではなく、商人たちがヨーロッパ中から集まった商都なのです。ですから往時の建物も、多くは商人たちのものでしたので、庶民性がより身近に感じられるのです。旧市街地は、大きく蛇行するソーヌ川の内側にあります。サン・ジャン広場からケーブルカーに乗って、フルヴィエールの丘を目指しましょう。ソーヌ川の対岸に控えているのが新市街、さらにその先にローヌ川が流れているのが見えます。リヨンの美しさが一瞬にして、目に飛び込んできます。

新市街にある博物館は必見

新市街地にもどうしても見ていただきたい博物館があります。それが織物装飾芸術博物館です。中世から、リヨンの名をヨーロッパ中に轟かせたのが、リヨン産の絹織物だったのです。機械化もいち早く進みました。幕末には、京都の西陣から研修生を受け入れ、のちにその研修生が日本に戻ると同時に、西陣でジャガード織機を輸入、日本の着物産業も、フランスから遅れること半世紀以上を経て、ようやく機械化が導入されることになったのです。こんな時代でしたから、群馬の富岡製糸場の工場でも、フランス人技術者の手を借りたのは当然でした。このように、西陣から始まって、日本の繊維産業の発展にとっても、リヨンは欠かせない存在となったのです。この博物館は、人類の織物の歴史を知るにはとても重要な場所なのです。
●織物装飾芸術博物館
[URL]www.musee-des-tissus.com

面白い街歩きもあります

さて、旧市街に戻ってみましょう。年代物の建物が続く中に、ふっと入れそうな小路があることに気づかれるでしょう。そんな小路は建物内の通路のようで、一瞬、入っていいかどうか戸惑われるかもしれません。なぜなら個人所有の地所を通ることになるからです。ヨーロッパでは、大きな壁に立ちはだかれて、中を見学できないことが往々にしてあります。建物の中に入ると、裏手には美しい中庭があったり、抜け道があったりすることもしばしばなのに、個人所有のために通れないのです。こんな抜け道のことをリヨンでは、トラブール(Traboule)と呼んでいます。リヨンでは、行政と所有者が、曜日や時間を区切ってこんなトラブールを、一般に開放しているのです。そこは、まるで大人のワンダーランド。第2次世界大戦中にはレジスタンスの秘密の会合などでも使われていたとか。ほかの町ではなかなか体験できない、リヨンならではの遊びです。(後編へ続く)