ユーロ紙幣に印刷されているのは、時代ごとによる橋

フランスやドイツなどヨーロッパ諸国で、ユーロという通貨が使われていることはご存知だと思います。では、その紙幣の裏をじっくり見たことのある方はどのくらいいるでしょう。各紙幣の裏には、ユーロ圏内の各時代における橋が印刷されています。例えば、5ユーロ札は古代、10ユーロ札はロマネスクという具合に、500ユーロ札の現代まで時代順に金額が上がっていきます。今年の3月、私は5ユーロ札の裏に載っている、古代ローマ時代の3段アーチの水道橋を見に、フランスへ行ってきました。

橋の下からは、壮大な水道橋の全景が見わたせます 橋の下からは、壮大な水道橋の全景が見わたせます

ポン・デュ・ガールの歴史は、今から2000年以上前のこと

それは、南フランスのガール県にある、ローマ時代の水道橋ポン・デュ・ガールです。場所は現在のニームとアヴィニョンの間。その歴史を追うと、今から2000年以上前に遡ります。当時ローマの都市として栄え始めていた、南フランスの町、ネマウサ(現在のニーム)。人口が増え始め、町へ安定した水の供給が必要になります。そのため、約50Km北東にあるユゼスの町から水を運ぶことになったのです。その道中にガール県の山間があったため、そこを水が通る橋が必要になりました。

古代の橋の中では世界一の高さを誇る水道橋

この土木工事を命令したのが、初代ローマ皇帝アウグストゥスの側近、アグリッパ。ニームにあるメゾン・カレは、彼の息子2人に捧げられており、このエリアに縁のある人物です。この水道橋が、ローマ人の土木技術の傑作といえるのは、たった5年で完成させたというだけでなく、1キロで平均傾度が約25センチという緻密な計算をし、それを実際に造り上げたところにあります。当時の技術力を想像すると、その出来栄えに驚愕しますね。橋の高さは49メートルで、古代の橋では高さは世界一。保存状態も素晴らしく、世界遺産に登録されています。

大きな橋全体を撮影する絶好スポットはどこ?

橋は3層構造のアーチで、1階は6個、2階は11個、3階は当初47個のアーチがありました。こんな壮大な橋を1枚の写真に収める、おすすめスポットをいくつか紹介しましょう。入口から進んでいくと、離れた位置から橋が視界に入ってきます。そこから撮影すると、橋が緑いっぱいの山間に存在する雰囲気を出すことができます。橋へと近づいて行き、橋の手前右に上へ上がる階段があります。表示に従って登っていくと、高い位置からの撮影スポットがありました。もし昼頃着いたなら、逆光になるので橋を渡って西側へ回り込む必要があります。(その2へ続く)