ローマだけじゃない! 南仏ニームにもある円形闘技場

円形闘技場と聞くと、イタリアのローマにあるコロッセオを思い浮かべる人も多いかと思います。何もイタリアにだけあるものではなく、ローマ帝国が支配した多くの町に円形闘技場は造られ、現在まで保存している町はいくつもあります。その一つの町に、南フランスのニームがあります。鉄道駅からシャルル・ド・ゴール広場を目指して遊歩道を歩いていくと、左側にこの町最大のローマ遺跡「円形闘技場」が見えてきます。

ニームの町のシンボルとなっている、円形闘技場 ニームの町のシンボルとなっている、円形闘技場

規模は中クラス、保存状態の良さは世界一!

円形闘技場が造られたのは紀元1世紀末、ローマのコロッセウムが建造された時期とほぼ同時期です。大きさは長さ133m、幅101m、高さ21mあり、ゆるい楕円形。収容人数は2万4000人ほどで、他と比較すると規模はさほど大きくはありません。しかしながら、保存状態の良さでいったら、世界一レベル!! 特に外周から見ると、石で積み上げられた2階構成の60個のアーチが立派なんです!2000年もの時間を越えて、その崩れのないしっかりとした姿に、驚愕します。外部は、現在の手による大きな修復跡はあまりありません。

余興は姿を変え、現在も市民を楽しませている

内部へと進み、見学スタートです。この場所で剣闘士同士が戦ったり、人間と猛獣が戦っていた見世物は、ローマ市民たちにとって一番の娯楽でした。面白いことに、現在でもこの円形闘技場は現代人のための娯楽に使用されています。コンサートやオペラなどイベントの内容は変わりましたが、今も人々を楽しませている会場なのです。1年に1回行われる闘牛の祭りは、ニームの一大イベントとなっています。安全のため、内部の石段だった座席部分は金属の骨組みなどで、しっかりとした補強が施されていました。

身分によって席が決められていた

アリーナに近い、観客席の一列目に座ることができたのは高官や名士、身分の高い人たちです。彼らの座席の石には、名前が彫られていたそうです。身分が高いほど、アレーナにより近い席に、身分が低くなるにつれて距離も離れていったのです。そして、奴隷たちが座ることができたのは通路や階段などの椅子が整備されていない場所。とはいえ、奴隷たちも娯楽の観戦を許されていたことに、少し驚きました。(後編に続く)