古代ローマ建築を巡るならプロヴァンス地方へ

ヨーロッパには、古代ローマ時代の遺跡が街の中にそのまま現存していることも珍しくありません。保護のために立ち入り禁止になってしまうことが多い日本と違って、遺跡の建築物がそのまま現代でも有効活用されている場所もあり、歴史好きな人にとってたまらないスポットも。フランス全土にも数多くの遺跡が点在しています。その中でも特に見どころが集まっている南フランスのプロヴァンス地方を紹介しましょう。

古代ローマ建築が今も美しく残る、南仏プロヴァンス地方 古代ローマ建築が今も美しく残る、南仏プロヴァンス地方

オランジュの古代劇場でタイムスリップ

南仏のオランジュには、世界中で一番保存状態がよいと言われているローマ時代の古代劇場が残っています。必見なのが、巨石を積み上げた背後の石壁。その素晴らしさはかつてのルイ14世に「フランスの中で一番美しい壁」といわしめたそう。石壁の中央には建設された時代の皇帝アウグストゥスの彫像が置かれており、古代に思いを馳せるのにぴったりの眺めです。収容人数は1万人ほどにもなるこの古代劇場、ローマ時代には大勢の観客がここでスペクタクルを楽しんでいたといいます。

古代劇場で当時の演劇を楽しむ素晴らしい体験

このオランジュの古代劇場では、現在も劇場をそのまま使って、伝統的なローマ演劇法を忠実に再現した演出でスペクタクルが上演されています。実際に演劇を見ていると、音響効果や観客席の構造など、当時の優れた技術を窺い知ることができます。毎年夏には約1ヶ月間、オペラや音楽などのフェスティバル「コレジー・ドランジュ」が開催されており、世界中から観光客が集まります。

巨大な水道橋の美しさと高度な技術に感嘆

もうひとつお勧めしたい場所は、古代ローマ時代の水道橋がほぼそのままの形で残る「ポン・デュ・ガール」です。ニームとアビニヨンの街のほぼ中間を流れているガルトン川にかかるこの水道橋は、紀元前19年ごろに建設された石造りの3階建てのアーチ型で、高さは約50メートル。そのダイナミックな眺めに圧倒されます。夏には、ヴァカンス中のフランス人達がガルトン川の川辺で思い思いにピクニックを楽しんでいる風景は、古代と現代が不思議に調和していて面白いものです。