- 夏樹
- 音楽修行に渡仏し20年。教会オルガニストとして活動する傍ら、日本の女性誌やWEBにフランスの新鮮な話題を常時発信。在仏日本人向けコミュニティー誌「Bisou」や、海外で活動するライター仲間が集るメルマガ「地球はとっても丸い」の編集にも携わる。
出発エリアをに変更しました。
半日はたっぷり過ごせるスペース
2006年に開館したばかりのケ・ブランリーは、新しいコンセプトの人類博物館です。従来の博物館のホコリっぽいイメージは、もう過去のもの。人類学を、現在と深い関わりのあるものとして、楽しく理解できるように工夫されています。シラク前大統領はアジア、とくに日本通として知られていますが、そのほか、アフリカやオセアニアの原始文化にもなみなみならぬ興味を寄せていて、この博物館開館に惜しむことなく尽力しました。
土を使わずに、植物は壁面一面に張られたスポンジ上に根を張ります
本館はジャン・ヌーヴェルのデザインですが、セーヌ川を背にして立って右側にある別館は、パトリック・ブランという植物学者兼デザイナーによる「植物壁」に覆われています。これは、熱帯の崖の垂直面を覆う植物の生態からヒントを得た、新しいエコ・デザインで、見逃せません。また、ジル・クレマン作の庭は小道や丘、小川があり、日本庭園の影響を大きく受けた庭になっています。本館内では、「なんでこんなに暗いの?」と思ってしまいますが、これもまったく理由がないわけではないのです。原始時代の人間にはランプがなかったから、同じ条件を体験してみようというコンセプトなのです。
きれいな写真集もたくさんあるブティック
子どもたちのために、おもしろいアトリエもあります。たとえば、アフリカの楽器サンザを作る一時間コース。「Tat-tow d' oceanie」という教室は、タヒチの人々がしている入れ墨の意味を学んだり、自分なりのモチーフを考案してする入れ墨教室(本当にするのではなくて、もちろん絵の具で!)、ラグビーでニュージーランドのオールブラックスが披露することで有名になった、ハカダンス教室などがあります。そのほか、27万冊の本が所蔵されているメディアテック、ワールドミュージックが聞けるコンサートホールも。そう、ワールドミュージックと言ったら、ここのブティックには、たくさんCD、DVDが置いてあります。
憧れのペニッシュ生活。でも、彼らも市に家賃を払います
ケ・ブランリーを出てすぐ正面の橋を渡ってみましょう。このあたりにはペニッシュ(川船)に住む人々がたくさん。こんな生活、してみたいですね。そういう方には、ペニッシュホテルもあるので、下記に紹介しますね。橋を渡って右に行くと、なにやら人々が集って、写真を撮っています。そう。これは、ダイアナ妃が交通事故で亡くなった場所、アルマ橋で、お花を捧げにくる人が絶えません。もともとは「自由の炎」という名のモニュメント、すっかり名所になってしまいました。
永遠に美しいダイアナ様
■ケ・ブランリー博物館:37,quai Branly,75007 Paris
休館日:月曜日
火水日曜日は11時から19時まで開館
木金土曜日は11時から21時まで開館
www.quaibranly.fr(英語あり)で予約要
ペニッシュホテル
Pytheas:www.bed-breakfast-paris.eu (一泊150ユーロ)
Le johanna:www.bateau.johanna.free.fr(一泊80-95ユーロ)
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/11/01)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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