- 夏樹
- 音楽修行に渡仏し20年。教会オルガニストとして活動する傍ら、日本の女性誌やWEBにフランスの新鮮な話題を常時発信。在仏日本人向けコミュニティー誌「Bisou」や、海外で活動するライター仲間が集るメルマガ「地球はとっても丸い」の編集にも携わる。
出発エリアをに変更しました。
幕間はこんなスペースで過ごすことができます。アイスクリームやサンドイッチなどの軽食があります
オペラ座ガルニエ宮、このあまりにも有名で絢爛豪華な外観に尻込みしてしまいそうですが、気軽に行ってみましょう。東京で一席5万円を払ってオペラを観劇するよりは、パリのオペラ座の天井桟敷で身を乗り出して見るほうが楽しいかも。オペラ発祥は、もちろん17世紀イタリアの宮廷や、フランスではルイ14世のロワイヤル・アカデミー。しかしその後、18世紀頃から、真面目なオペラをパロディー化したり、庶民的な大道芸的要素などを取り入れて、民衆的なスペクタクルに変化していきます。
近くにはレストランがいっぱい。スペクタクルの後の食事には困らない地域
だから、今でも、フランスの南部、マルセイユやニースのオペラ座に行くと、熱くなってきた観客が立ち上がって、歌手と一緒に歌ってしまったり、つまらなくなってくると野次をとばしたりという楽しい光景も。首都パリでは、さすがにそういうことも少ないですが、それでも観客は正直です。気に入らないとおざなりな拍手しかしないし、その反対に「ブラボー!」と叫んで、足を踏みならしてアンコールを求めたり、自分の感想をはっきり表現します。
世界に名だたる歌手たちの衣装にうっとり
ガルニエ宮といわれるこの建物は、ナポレオン3世時代に、35歳の若い建築家シャルル・ガルニエによって建築されました。劇場内は真紅のベルベットで覆われた座席、金をふんだんに使った内装、そしてシャガールの天井画。Les Foyersといわれる、幕間にくつろげる場は豪華そのもの。壁面、天井をよく見てみて! 楽器をもっている天使や、歌っている女神などでいっぱい。地下では、歴代の歌姫たちが身にまとった衣装を見ることができます。毎日10時から17時まで見学することができますが、劇場内はリハーサルなどで入れないこともあります。
前衛ダンスのピナ・バウシュがこの春のプログラム
バスチーユに巨大なオペラハウスができてからというもの、ガルニエ宮はどちらかというとバレエや現代もののダンス専門になってしまいましたが、ときには、バロックもののオペラを見ることもできます。値段は160Eから7Eまで、インターネットでも予約できますが、当日、開園30分前にオペラの前に行くと、あまっているチケットを売っている人たちが結構いるものです。4月まではピナ・バウシュの「オルフェとユーリディス」、5月は「カリギュラ」、6月はグリュックのオペラ「イフィジェニー」が予定されています。
毎日10時半から18時半までチケット売り場で発券しているので、直接オペラ座に出向いてもよい。天井桟敷の券はチケット売り場でしか買うことができない。開演15分前、28歳以下は特別料金で残っている座席を買うことができる。年齢を証明するためにパスポート持参。インターネット予約なら、www.operadeparis.fr。予約のページには英語があります。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2008/03/17)
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