- 夏樹
- 音楽修行に渡仏し20年。教会オルガニストとして活動する傍ら、日本の女性誌やWEBにフランスの新鮮な話題を常時発信。在仏日本人向けコミュニティー誌「Bisou」や、海外で活動するライター仲間が集るメルマガ「地球はとっても丸い」の編集にも携わる。
出発エリアをに変更しました。
ポルト・ドゥ・サンドニ、これも凱旋門。シャンゼリゼの凱旋門より小ぶり
メトロの3号線のSentier駅で降りると、パリの衣料問屋街が広がる。一駅先のレ・アール周辺に集る、ちょっと気取ったブティックとはまた別の雰囲気。ウィンドーを見ていると、同じパターンの洋服が生地違いでいくつも並んでいたり、同じ長靴が24色並んでいたり。すれ違う方々も、「いかにもモード」というよりは、「根っからのあきんど」風の人が多い。ここは、卸専門のお店が集っている地区、外国から買い付けにくる人々も多く、とってもコスモポリタン、いろんな外国語がガンガン聞こえてきます。
よく見ると象形文字だってあるよ
この辺りの道にはエジプト風の名前が多い。カイロ通り、アレクサンドリア通り、アブキール通り、ナイル通り。1798年から1801年にかけての、ナポレオンのエジプト遠征にちなんで名付けられました。この時期、フランス人のエジプト熱は沸騰。エジプト文明が西洋文明の源であることが確証された時期でもあり、ナポレオンは、この遠征に、軍人だけではなく歴史家、考古学者、植物学者、測量士など162名にわたる学術調査団を同行させていたとのこと。
たくさんのマネキンに見つめられて、不思議な気持ち
このカイロ広場でエジプト風の装飾がある建物を見つけたら、その下からパッサージュ・ドゥ・ケールに入ってみよう。1799年に作られたこのパッサージュ、当時はまだ長いドレスを着て歩いていた御婦人たちに、道行く馬車の蹴散らす泥を浴びずに散歩ができると大人気でした。今は、マネキン人形ばかり売っているお店、お店で使う包装紙ばかり、値札ばかり扱うお店など、問屋街ならではの楽しいアーケード。ちょっとひなびた、でも実直な商人のエスプリが伝わってくる場所。
こんな素敵なエスカルゴ、ここまで来て食べずに帰ることはできない
おなかがすいたらrue montorgueilへ。19世紀を代表するゾラによって「パリの胃袋」と呼ばれたレ・アールの中央市場はもうなくなってしまいましたが、今もその活気を受け継いでいるのがこのrue montorgueil。歩行者天国で、おいしそうなものがズラリと並んでいます。13世紀からある通りで、ルイ15世の愛妾にまで「出世」したマダム・デュ・バリーは、この通りにあった高級モード店でショップ店員をしていたということ。ベルサイユ宮殿では、貴族の出ではないということで苦労し、挙げ句の果て、フランス革命では涙ながらに助命したにも関わらず処刑されてしまいました。
■ Escargots Montorgueil
住所:38 rue Montorgueil
開店時間:12時から2時半、夜7時から10時半
http://www.escargot-montorgueil.com/(英語あり)
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