画家の家が美術館になる

世界各国から皆が訪れる、歴史的傑作を所有する有名な美術館がヨーロッパにはいくつもあります。パリのルーブル美術館、マドリードのプラド美術館、バチカンのバチカン美術館などです。これらの美術館では、絵に特別興味がない人でも知っているような名画が、時代ごとに展示されています。しかしそんな大きい箱を使わず、画家の家やアトリエを利用して運営する美術館も数多くあります。その画家が好きでなければ出向くことはないわけですが、大箱の美術館とは異なり、「画家の家にお邪魔します」と入っていく感じもなかなか面白いですよ。そんな美術館をご紹介します。

画家が住んでいた家が、すてきな美術館に変身 画家が住んでいた家が、すてきな美術館に変身

パリ 神話の世界が広がる家

パリ市9区にあるギュスターブ・モロー美術館は、地下鉄駅から徒歩5分のアクセスの良さです。ここは彼が暮らした邸宅がそのままに公開され、興味深い美術館になっています。フランス象徴主義における先駆的画家であったモローですが、ここには神話画や歴史主題の作品などが展示されています。その独特な色使いや、神秘的に表現された作品が部屋いっぱいに飾られているのを見ると、圧倒されてしまいます。大きな美術館の白い壁に掲げられた彼の作品を見るときとは、全く異なる鑑賞ができます。来場者を彼の作り上げた神秘的な世界へと引き込むかのようです。

マドリード 太陽と光の画家の家

バレンシア生まれの画家ホアキン・ソロージャの、マドリードにあるアトリエ兼自宅が現在、美術館になっています。彼が今まさに筆をとり、描こうとしている、そんなことを感じさせるアトリエは興味深いものがあります。展示室を見終わった後は、彫刻が置かれ、色とりどりの花が咲いた庭園にも出ることができます。彼が毎日眺め、作品のインスピレーションを受けたかもしれないという庭です。また、彼の作品のみならず、この美術館の家具や調度品などを通して、19世紀の住まいの様子も垣間見られます。美術鑑賞とはまた違った視線でも楽しめるでしょう

バルセロナ 卵の家に住んだ画家

バルセロナからフランス国境へ向かったビーチリゾートのカダケスの近くのPort-Ligat(ポル・リガット)という村に、画家ダリの個性的な「卵の家」があります。屋根に卵が乗っているところからそう呼ばれています。彼の作品の多くはフィゲラスの美術館で見られますが、この彼が晩年に住んだ自宅には絵画作品はあまりなく、彼が集めたコレクションや彼のアイデアで作り上げた面白い部屋など、まるで不思議博物館の様相です。最愛のガラと過ごしたこの家には彼の遊び心がたくさん詰まっており、さすが奇才の家、普通の住宅とは全く違うものでした。