パリで夏でもひんやりする体験を

凱旋門にエッフェル塔、ノートルダム寺院にルーブル美術館、パリにはあまりに観るものが多くあります。しかしクーラーの設置は日本ほど進んでいませんので、暑い夏は汗だくになることも。そんな時におすすめなのが、パリの地下の観光です。まず最初にご紹介するのが、「カタコンブ・ド・パリ」(正式名称はl'Ossuaire Municipal)。埋葬数が600万人にも及ぶとされる世界最大の地下墓地です。元はパリのサン・イノサン墓地に埋葬されていた遺体が、溢れたことから衛生面で問題が生じ、そこで18世紀の後半に、石切り場として空洞になっていた地下に、遺骨を埋葬しなおすことになったのです。メトロの最寄駅はモンパルナス墓地にほど近いDenfert Rochereauです。

夏でも涼しい地下世界〜パリの歴史的2大地下博物館とは? 夏でも涼しい地下世界〜パリの歴史的2大地下博物館とは?

不気味さの中にもしゃれっ気がある

深さは約18メートル〜30メートル。らせん状の階段を降りていきます。迷路になっているので、これまで行方知れずになった人もいます。そこで公開されているのは一部のみです。壁一面にはびっしりと人骨が埋め込まれています。柱もそうです。髑髏をハート形に並べたところや、デザイン的になっているところは、不気味ですが、フランス人らしくしゃれてるなあと思います。平均気温は年間を通じて11〜12度ほどと涼しいですが、妙な匂いがするようで、約1時間後、外に出ると、ホッとしました。入場料は8ユーロ(約990円)。入場を200人に制限していますので、1時間待ちもザラにあります。そこでもう少してっとり早くパリの地下を体験したい人のおススメなのが、下水道博物館です。こちらはセーヌ川に近いAlma Merceau駅が最寄駅になります。入口はアルマ橋を渡った対岸にあります。

下水道が近代パリを作った?

パリで下水道が作られ始めたのは、1370年頃からだそうです。それが1740年頃、大環状下水道として完成。その長さはなんと2100キロにも及びます。ここに着想を得て書かれたのが、フランス文学の巨匠ビクトル・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」です。主人公のジャン・バルジャンが、マリユス青年を背負って下水道を通ってセーヌ川に逃れるのです。このシーンは、「泥の都」とまで揶揄され不衛生だったパリが、下水道の完成によって、「花の都」へと変革を果たした象徴と解釈されています。下水道の完成を、ユーゴーはフランスの一大転換期ととられていたようですが、同時期にカタコンブが完成したことも見逃せません。しかし、ここは臭いですねえ。実際に流れる下水を見られるところもあります。入場料は4.2ユーロ(約520円)。カタコンブと下水道、近代パリの礎を作った二大公共事業を、一度見てみてはどうでしょう。