歩いて楽しいチェイルリー公園

パリの凱旋門から、だんだら坂のシャンゼリゼ通りを下っていくと、やがてエジプトから贈られたオベリスクが見えてきます。これがコンコルド広場です。チュイルリー公園に入って、まっすぐ行けば、ほどなく凱旋門と対になるカルーゼル凱旋門が見えてきます。公園のあちらこちらに、ギリシャ時代の彫刻や、ヘンテコな現代アートが飾ってあるのが楽しいですね。さすがはフランス。遊び心があります。ルーブル美術館は公園の向こう。有名なガラスのピラミッドがあります。多くの旅行者のみなさんは、まずこのルーブル美術館で「モナリザ」などを観るとして、次に選ぶのは、印象派が多く展示されているオルセー美術館でしょう。かつての駅舎の建物がそのままなのもいいですね。しかし、もう少し時間あったら、見てもらいたいのが、チュイルリー公園内にあるオランジュリー美術館です。

パリのオランジュリー美術館で、印象派の絵画を堪能 パリのオランジュリー美術館で、印象派の絵画を堪能

モネの睡蓮を全身で感じる!

オランジュリー美術館は、19世紀にオレンジの温室だった建物です。温室にしては(?)立派ですが、美術館としてはこじんまりとしているところが好きです。見て回るのにちょうどいい広さなのです。まずはこの美術館の象徴ともいえるモネの「睡蓮」を見ましょう。楕円形の部屋の壁に密閉されるように、この絵はぐるりと部屋の周囲に飾られており、自然光が天井から降り注ぐ造りになっています。これはモネが当初、この作品を飾るために着想したものでした。それが60年代の改築で、彼の意図とは別のものになってしまっていたのを、2000年から6年の歳月をかけて、大改装したのです。陽光を浴びるかのような室内で、モネの睡蓮を見る。これはもう全身で感じることです。ゆっくりと味わいましょう。

印象派の作品がずらりとそろっています。

オランジュリー美術館には、ほかにも印象派の作品が揃っています。長細い顔を描くモディリリアー二と、彼の作品に似ているのですが、もう少し不安定な形のスーティン。モディリアーは貧しかったスーティンをずいぶんと世話していたようです。ユトリロは、華やかなはずのパリの静寂さを湛えています。ルソーは「人形を持つ子供」をはじめ、印象的な作品があり、ピカソにマチス、セザンヌ、ルノワールもあります。

画家とファッションデザイナーの意外な関係

マリー・ローランサンは、淡いパステルカラーの作品がとてもきれいです。中でも面白いのが「マドモワゼル・シャネルの肖像」。シャネルの創業者ココ・シャネルがモデルです。シャネルはこの作品を気に入らず受け取りを拒否、その理由はわかっていません。自分ひとりの力で社会を切り拓き、成功した二人の女性の親密さと絶交、いったい何があったのでしょう。シャネル本店へはチュイルリー公園を突きって、コンボン通りをまっすぐ、徒歩10分です。