世界初! 7カ国にまたがる世界遺産

2016年、数年間にわたって審議されてきたル・コルビュジエの建築群が、世界遺産に登録されました。名称は「ル・コルビュジエの建築作品ー近代建築運動への顕著な貢献」です。出身地スイスをはじめ、ドイツ、アルゼンチン、ベルギー、フランス、インド、日本と、世界遺産に登録された建築物は7カ国にもわたるものとなり、大陸をまたぐ初の世界遺産登録だそうです。日本でも東京の上野公園にある国立西洋美術館が登録されて、話題になりましたよね。彼は鉄筋コンクリートとスラブ、柱を用いることで、これまでの西洋建築で長い間重用されてきた分厚い壁を取り払いました。現在のガラス窓が多い高層ビルなども、彼の建築手法を取り入れたものと言われています。20世紀を代表する建築家で、ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面の5原則からなる、新しい建築を目指したのです。

2016年に世界遺産登録されたル・コルビュジエの建築物を見に、フランスに行く 2016年に世界遺産登録されたル・コルビュジエの建築物を見に、フランスに行く

ル・コルビュジエの建築はどこで見られるか?

世界遺産に登録されたル・コルビュジエの建築物の中で、最も多いのがフランスで、10件が登録されています。パリ市内、近郊にも数軒ありますので、ぜひ訪れてみたいですね。パリ16区には、世界遺産に登録されていないものも含めて、見るべき建物があります。もっとも有名なのはラ・ロッシュ邸でしょう。建物の色は白、弓なりの外観に、横長の水平連続窓が施されています。1階はギャラリーで、2階へは階段ではなく、緩やかな曲線を描くスロープでつながっています。横長の窓からは十分な光が入っています。そして屋上には庭園があります。ル・コルビュジエ初期の作品で、竣工は1925年です。日本の大正時代に、こんなモダンな建物があったのですね。メトロ9号線ジャスミン駅から徒歩8分です。またこの16区には、スイス学生会館やブラジル館、建築文化財博物館もあり、いずれも入場可能です。

ロンシャン礼拝堂にまで足を延ばしてみる

ル・コルビュジエ作品の内、もっとも有名なのがロンシャン礼拝堂かもしれません。カニの甲羅のような独特な形の黒い屋根をいただくこの建物は、彼の晩年の作品で、最高傑作の一つとも言われています。スイス国境のほど近いフランシュ・コンテ地方にあります。パリ東駅からTGVで約3時間、ブザンソンを目指します。ここからはタクシーで約30分です。「丘の上の礼拝堂」と言われているとおり、車は坂道を登って行きます。古くからある教会でしたが、第2次世界大戦で焼失、ル・コルビュジエの手で再建されることになりました。1955年のことです。中に入ると、数多くの小さな窓から、まるできらめく星のように光が差し込んでいます。建物の隣にはピラミッドがあり、サント・クレール修道院があります。こちらは関西国際空港やポンピドーセンターを設計したイタリア人建築家レンゾ・ピアノ作品です。あわせてご堪能ください。