日本人が大好きなモネ

『睡蓮』であまりに有名なクロード・モネは、日本の幕末から昭和初期に生きた画家です。浮世絵や日本庭園をこよなく愛し、日本からも、画商や愛好家たちが訪れたことで知られています。日本人の美的センスに一致するのでしょうね。「印象派」という言葉もモネの作品に由来し、ルノワールやセザンヌ、シスレー、ピサロなど印象派の画家とともに、一時代を築いた画家でもあります。モネの作品を見るには、パリを中心に、4、5日は要します。今回は、前編、後編を通じて、モネの作品がある美術館を中心に、モネが見てきた風景も合わせて、案内していきたいと思います。まずは、パリ。最初に訪れていただきたいのは、やはりオランジュリー美術館でしょう。
●オランジュリー美術館:www.musee-orangerie.fr/en

パリを中心に、モネ関連の美術館を巡る旅(前編:パリ市内の美術館でモネを観る) パリを中心に、モネ関連の美術館を巡る旅(前編:パリ市内の美術館でモネを観る)

モネの『睡蓮』のために建設された美術館

オランジュリー美術館は、コンコルド広場から歩いていくのがいいですね。テュイルリー公園の中にあるので、天気が良ければ気持ちいいです。そしてこの美術館、元はオレンジ栽培のための温室だったのです。そこで「オランジュリー」と命名されたのです。モネの「睡蓮」は、楕円形の広い室内の壁全面に展示されています。「光の画家」と呼ばれただけあって、睡蓮がまるで日の光を浴びているような美しさです。天井から自然光を取り入れる設計になっているから余計にそう感じます。普通の美術館は薄暗く、絵だけにスポットを当てた展示方法ですが、この「睡蓮」だけは特別ですね。これがモネの遺作になります。ベンチに座ってゆっくり眺めるもよし、近づいてタッチを観察するもよし。これだけ広い空間で絵を観ると、あまり疲れた感じがしません。館内にはモディリアー二の作品もたくさんあって、こちらもいいですね。

オルセー美術館とマルモッタン・モネ美術館

セーヌ川を渡った対岸にあるのがオルセー美術館です。昔の駅舎を美術館にした内部は、広く、全部見て回ろうと思っても、かなり無理があります。ことにオランジュリー美術館を訪問してからならば、好きな作品に集中して観るのがいいでしょう。この美術館で必見のモネ作品は「左向きの日傘の女性」です。陽光の中、まばゆいばかりの光が、実にモネらしい作品ですね。「モネの庭」を描いた「モネの家の庭、アイリス」やも「ロンドンの国会議事堂、霧を貫く陽光」も見逃せません。そしてもう一カ所、マルモッタン・モネ美術館にも行ってみましょう。パリ16区の閑静な住宅街の中にあり、付近を散策するのも楽しいものです。ここにある「印象・日の出」が印象派の名前の由来になった作品です。ここでは初期から晩年までのモネの作品を堪能できます。(後編に続く)
●マルモッタン・モネ美術館 www.marmottan.fr/