体を冷やして眠りにつく方法

インドのお隣のパキスタンに、ちょうど一番暑い時期(雨季前の4〜6月)にいたときも、やはり眠れないぐらいの暑さの夜でした。1時間寝ては水シャワーを浴び、濡れたままベッドに倒れ込んで蒸発する気化熱を利用して涼しくなった瞬間に寝る、といった繰り返しでした。旅で一番良くないのは寝不足です。日本人宿には、体調を崩した人が続出していましたが、今から考えればちょっとお金を出して、エアコン付きの部屋で熟睡すれば、体調もすぐに回復したのでしょう。しかしその頃は、そんな考えが浮かびませんでした。

暑い時にエアコンなしのホテルで過ごすには? 世界ですごした“激アツ”の夜(後編) 暑い時にエアコンなしのホテルで過ごすには? 世界ですごした“激アツ”の夜(後編)

熱帯でもエアコンが必要ない時期もある

私がよく行くタイやインドネシアなどの東南アジアでは、夜でそんなに暑いことは年に数週間しかないと思います。夜はむしろエアコンを止めて寝てしまうことが多いですね。今の私はインドではエアコン付きのホテルに泊まりますが、冬場は日中以外は使わないこともよくあります。北インドでは冬の夜は、逆に寒いくらいです。困るのが、エアコンの温度調整ができないホテルで、つけたら寒い、しかし止めると暑いというところですね。

エアコンがないヨーロッパの住宅

この熱帯での経験が、違う場所で役に立ったことがありました。2003年の夏、ヨーロッパを記録的な熱波が襲いました。そのとき私は、パリにある知り合いのアバートメントに滞在していました。ホテルはともかく、パリのふつうの家には暖房(スチーム)はあってもエアコン(冷房)はありません。乾燥しているので、真夏でも直接日に当たらなければ、ちょうどいいぐらいなので、その必要がないのです。ですから、扇風機すらない家がほとんど。しかしその夏は、今までヨーロッパの人が経験したことがない暑さでした。

気化熱を利用して暑さをしのぐ

それがどのくらいすごかったかというと、ピーク時にはフランスだけで熱波による死者が1日20000人あまり出たというほどです。そのほとんどが老人でした。私もとにかく暑くて眠れません。インドで過ごしたあの暑い夜以来の暑さです。しかしアパートメントには、エアコンどころか扇風機もありません。そこでどうしたかというと、水シャワーを浴びた後、バスタオルをびしょびしょに濡らしました。そしてそれをタイルの床の上に敷いて寝ます。乾燥しているので、タオルは急速に乾いていき、その際の気化熱でタオルは冷やされます。その瞬間に寝るのです。かつて覚えた方法が、こんなところで役に立った訳です。