パリのプチホテルに直接電話をかけて予約……

リピートする旅先に“常宿”を持つのはいいものです。本当に気に入ったホテルなら、チェックアウトするとき「またここに泊まりたい」という気持ちが強くなりますよね。私もいくつかそういうホテルがあります。以前フランスにリピートしていたころ、パリでの常宿は「オテル・ショパン」というプチホテルでした。最初に行ったのはだいぶ昔で、メールもない時代でしたから、ガイドブックでたまたま目についたこのホテルに直接電話をかけて予約を入れました。慣れない国際電話で相手はフランス人、私の英会話は大丈夫だろうか……と心配しましたがまったくの杞憂。感じ良くハキハキした電話応対にすっかり緊張がほぐれたのを覚えています。

パリに滞在するときはこのホテル!常宿の楽しみ パリに滞在するときはこのホテル!常宿の楽しみ

古びているけれど快適な滞在ができます

行ってみると、電話での第一印象をはるかに上回る好感を持ちました。パッサージュ・ジュフロワ(パッサージュはガラス製アーケードに覆われた歩行者用通路のこと)にあり、周囲の環境も古き良きパリそのものだし、建物はパッサージュと一体化した構造になっていて屋根裏部屋から見下ろすパッサージュの光景には興味が尽きません。豪華さとはほど遠く、エレベーターはガタピシ、部屋は狭く古く、シャワーカーテンもあったりなかったりというお部屋ですが、内装の色彩や机などがなんとも可愛らしくて“憎めない”のです。そして、部屋は古ぼけていますが水回りだけはきちんと磨き上げられている点も気に入りました(水回りが不潔だと気持ちが悪いですよね)。

スタッフの対応は日本人の感覚にもマッチしています

スタッフは英語が堪能な上に、気さくだけれど付かず離れずの物静かな態度。2回目、3回目とリピートするうちに構造もわかってきて、「前に泊まった部屋がよかったから、今度もあそこの部屋がいい」などと電話でリクエストしておくと、極力こたえてくれようとします。パリに着いて一泊滞在してから地方をまわり、またパリに戻って来たとき、リクエストしておいた広い部屋の方へ替えておいてくれたこともありました。朝食のクロワッサンはパリパリ、自分で絞るオレンジジュースの機械も愉快で、簡単な食事でも十分満足しました。

あなただけの“常宿”は世界のどこかにありますか?

フランスの各地でいろいろなホテルに泊まってきました。高級ホテルとは無縁でしたが、私はフランスのホテルで嫌な思いをしたことが一度もありません。どこもスタッフがやさしくて、水回りが清潔で、部屋の雰囲気が愛らしくて、朝食がおいしかったのです。どこも「もう一度泊まりたいなあ」と思うところばかり。しかし実際に何度もリピートしたのは、首都パリのオテル・ショパンだけです。リピートすることでますますそのホテルとその街に愛着が強まり、旅に「定点観測」という別の側面も生まれます。あなたの“常宿”は、どこでしょうか?