パリ万博の年に開業した歴史ある地下鉄

地下鉄を「メトロ」という呼び名は、フランスが発祥だと知っていましたか? パリのメトロは1900年のパリ万博の年にあわせて1号線が開通しました。今では14に及ぶ路線と2つの支線、駅の数は300弱にものぼります。パリ市内は東京の山手線の内側くらいの大きさですが、その中に約300mおきに駅があり、市民にとっては欠かせない足になっています。芸術の都パリ、メトロを利用する様々な場面でアートを感じることができます。ここでは個性的な駅をご紹介しましょう。

パリの地下鉄(メトロ)百景1「個性的な駅を巡ってみよう」 パリの地下鉄(メトロ)百景1「個性的な駅を巡ってみよう」

個性的な駅を巡ってみよう

12号線の「コンコルド(Concorde)」駅に降り立つと、ホームの白い壁一面にレイアウトされたアルファベットに圧倒されます。一見するとただの羅列に見えますが、これらは1789年のフランス人権宣言「人間と市民の権利の宣言」の文章になっています。かつてのフランス革命時に「革命広場」と呼ばれ、マリー・アントワネットの首を刎ねた場所でも有名な現在のコンコルド広場の最寄り駅という事を表現しています。

芸術作品と出会える駅も

パリを東西に結ぶ1号線のちょうど真ん中あたり、「ルーブル・リボリ(Louvre – Rivoli)」駅は、その名の通り、ルーブル美術館の最寄りで多くの観光客が利用する駅です。駅のホームには展示ケースに入った芸術作品(レプリカ)が飾られていて、さながら美術館の中のよう。また、13号線の「ヴァレンヌ(Varenne)」駅のホームには有名な「考える人」の彫刻が置かれており、ロダン美術館が近い事を教えてくれます。駅のホームで芸術鑑賞できるなんて、なんともパリらしい風景と思いませんか?

メトロへの入り口にも注目!

一方、地上とメトロを結ぶ入り口の中にも、芸術家の作品があります。フランスの建築家で、19世紀末に起こった芸術運動「アール・ヌーヴォー」の代表的存在エクトール・ギマールがデザインした入り口は、アールヌーヴォーの典型ともいえる有機的でユニークなデザイン。多くは当時を再現した複製ですが、18区の「アベス(Abbesses)」駅のものはオリジナルだそうです。他にも「パレ・ロワイヤル・ミュゼ・デュ・ルーヴル(Palais Royal musee de Louvre)」駅の入口は、ジャン・ミシェル・オトニエルによる「夜遊び人たちのキオスク」と題されたガラスを使った現代アート。メトロ100周年記念として作られました。日常の風景の中に芸術家の作品がそっと馴染んでいるのは、パリならではですね。